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ジーンとドライブ

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うまく笑えないジーンとの人生のドライブのエッセイ。
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別段何もない日のふたりの特別

別段何もない日のふたりの特別

緊急事態宣言が解除されたけれど、日曜日の車の量が増えた道を想像するだけで出かける意欲を無くすジーン。
「でこぼこ、行く?久しぶりに…。」
少しポッコリしたお腹を摩りながら言う。正しくは、『でこぼこ山』ではないけどね…と心の中で突っ込みを入れながら、
「うーん。」
と返事した。そう言えば、コロナで騒がしくなってから登っていない。人と会うこともそうそうないトレッキングだ。何度か行っても良かったのに、も

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錫婚式にいいとこ探し

錫婚式にいいとこ探し

結婚10年目の錫婚式。
世の人たちはどういう風に過ごしているんだろうか?
記念日とかそういうイベントごとに無縁の二人である。結婚記念日は二人の誕生日に由来する日でも、思い出の日でも、何でもない6月の普通の日。私がひとりで役所へ出向いて提出した。名字が変わった自分の名前を呼ぶ声に気づかず、しばらく無視し続けて、職員さんを困らせた。事務的に淡々と過ぎた日だ。
出会って一年ほどで、結婚式もせず、本当に気

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結婚十周年

結婚十周年

結婚して、十年が過ぎた。あっという間だった。時間の流れは毎年毎年早くなる。昔、祖母や母や先生が言っていた通りだ。それを今では自ら実感できる。
煮ても焼いても食えない気質のジーンとの結婚。何で結婚したのかね?
全く話が通じなかったこと。喧嘩すらきちんとできなかった。理解不能でどうしようもなかったこと…。あげればキリがないほど課題が山済みだった。夜な夜なベランダから見えるお月さまに毒づいていたものだ。

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ジーンとドライブ 9年で3枚の離婚届

ジーンとドライブ 9年で3枚の離婚届

ジーンと結婚して9年目になる。時が過ぎゆくのはとてつもなく早い。早く感じただけかもしれない。年をとればとるほど、時間は早く通り過ぎると言うのだから…。
私が結婚前に一番長くお付き合いした彼とは7年弱だった。結婚も考えたその彼との日々をサラリと超えてしまった。ついに、ジーンとの日々が最長になったのだ。が、しかし、ここに来るまでに『離婚届に判をつく』までを3度繰り返している。いづれも、どこからどう始ま

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ジーンとドライブ ヤンキー返し

ジーンとドライブ ヤンキー返し

小指を立ててポテトチップスを食べるジーン。
そんなジーンが横柄になる日がある。
仕事から帰るとすぐさま、服を脱ぎ捨ててお風呂に直行する。
「ドシャーッ。バシャーッ。カンカラコンッ。」
物音がすごい。そして、ご飯を食べ始めると、クッチャクッチャといかにも行儀悪く食べる。私が嫌だと知ってのことだ。何も悪いことをしていないのに、ひどく責められているような気分になる。昔の私なら、月を見上げてさめざめ泣いて

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ジーンとドライブ 物は考えよう

ジーンとドライブ 物は考えよう

将棋の藤井君のニュースを見ていた時、ジーンにボヤいた。
「ズルいよな…。」

今時の若い人たちは、いいなと思う。ものすごくたくさんの情報がいつだって見れる。ググってしまえばある程度のことは知識として入る。コロナのお陰で、自宅勤務の人が普通になった。副業を応援する世の中にもなった。羨ましい限りだ。私が奮闘していた頃はそんな世の中ではなかった。つい、15年程前のことだ。自宅で仕事…なんていうと、「カジ

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ジーンとドライブ フラットにいこう

ジーンとドライブ フラットにいこう

「今私は、M子さんは大嫌い!申し訳ないけど…。この先は分からないけど、兎に角今は、大嫌い!」
そう言ってしまったことがある。ジーンに義母は嫌いだと公言してしまったのだ。どうしても我慢できなかった。人の心を利用するからだ…とも言った。ジーンは黙ってしまった。結婚して間もなくのことだった。今思い返すと、大嫌いだと言った彼女よりも私の言葉の方が、ジーンのことを傷つけたかもしれないと猛省する。そんなこと、

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ジーンとドライブ おちょけスイッチ

ジーンとドライブ おちょけスイッチ

ジーンは結婚当初、とても窮屈な人間だった。
自分が考える最適なやり方や考え方がドーンとあって、それを人にも強要させるようなところがあった。それはジーンにとっては嫌がらせと言うより、親切心からだったのだろう。でも、私にとっては窮屈で仕方が無かったし、そもそも、ジーンのやり方、考え方がベストだとは思えなかった。私は私であり、ジーンではない。私には私がやりやすいやり方考え方があるからだ。人にはそれぞれの

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ジーンとドライブ 家のもピュアです

ジーンとドライブ 家のもピュアです

このところ、日曜日のお出かけはない。大したお出かけはしていなかったけれど、ジーンにとっては唯一の休日である日曜日にずーっと家にいるのはやっぱり窮屈なようだ。
家で何をしているかと言うと、片付けをしたりしている。私から見れば右から左…左から右へとモノを動かしているだけのように見えるが、本人は至ってそのことに気づいてはいない。
家はAmazonプライムに入っている。宅配で買い物をする方だし、いいかな…

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ジーンとドライブ いびつさの遺伝

ジーンとドライブ いびつさの遺伝

「なんなのよ~。」
「~しなさいよ~。」
ジーンはどこか女っぽい口調で話す。腕を組んで片方の手を頬にあて、時に小指を立てている時がある。

「あのさ。ひょっとしてオネエなの?」
結婚8年目の夫に言うセリフではないが聞いてみた。
「何言ってるのよ~。」
疑念が膨らむばかりである…。

時折、ジーンに女っぽさを感じるのは何で?どうでもいいことが気になる。
自分はどうなんだ?と考えて見れば、私は女だがも

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ジーンとドライブ 縦かぶり男

ジーンとドライブ 縦かぶり男

若い頃、どういう人が好きなの?と聞かれてもよく分からなかった。
いい人がいい。そう思っても、いい人ってどんな人よ?ってなるし、価値観が同じな人。そう思っても、価値観が違ってる人だと視野が広がってそれはそれでいじゃない?ってなる。それに、好きなるって時、そんなにあれやこれやと考えていない。ある何かの瞬間、『あ。スキ。』と思ってる。後から思い出すと、いい人だけど自己中だとか、いい人だけど優柔不断で、価

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ジーンとドライブ 橙色の夕暮れに

ジーンとドライブ 橙色の夕暮れに

年の瀬が近づくと、少し感傷的になるのは私だけだろうか?
あんなに綺麗だった紅葉も赤茶けて、すっかり葉を落とした木々は寒そうで、こちらまで寂しくなる。冷たい風が顔にあたれば尚更で。
だけど、夕日が落ちる少し前、ピンクオレンジのまあるい太陽に照らされて、辺り一面橙色に染まる時、再び木々は紅葉する。その一瞬がとても好きだ。日が落ちていくのに反比例して、何故か清々しい気持ちに包まれる。

そういう時、何気

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ジーンとドライブ 楽しめないならついでくらいが丁度いい

ジーンとドライブ 楽しめないならついでくらいが丁度いい

結婚したての頃、月に一度は言い争っていた気がする。他愛のないことから始まり、どんどん話が逸れて仕舞いには、男のくせに口が立つジーンに押され、戦意を無くした私が引く…。
そんなことを繰り返している時、売り言葉に買い言葉で、
「もうご飯作ってあげないから!」
と、言ったことがある。女が良く口にする言葉だ。近頃の男性は料理が上手い人も多いようだが、ジーンは『ザ・昭和の男子』である。これを言われちゃきっと

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ジーンとドライブ 揺らぎ

ジーンとドライブ 揺らぎ

ジーンは今の会社に行き着くまでに、短いスパンでいくつかの会社を転々とした。射手座のジーンは決断が速い。違う、駄目と感じたらすぐ行動する。牡牛座の私には考えられないことだ。違う、駄目と感じながらグズグズと一所で時間を費やし、後でやっちまったと悔いることが多い。だから、決断できるジーンを少し羨ましく思う。中年ともなれば、短い時間だからとて、全てを理解していないとて、違う、駄目と感じたなら自分の感覚を信

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