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三文小説

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2021年5月の記事一覧

ツッキーと私  (1800字小説)

ツッキーは人の話を聞かない。 いつも うんうんと言って聞いている風だけど、実は全然聞いて…

カワック
3年前
40

堕山菜  (1300字小説)

「 山菜になりたい 」と思っていたら、本当に山菜になってしまった。 山菜に幻想を抱きすぎ…

カワック
3年前
31

逃走と初恋 (2000字小説)

 中学2年生のタクトは同じクラスのナナミに恋焦がれていた。2人は友達というほどの関係では…

カワック
3年前
42

白い夢  (800字小説)

昼間の夢は背景が白い。夢の中で私は世界の理想を聞かれた。夢の住人は名をユメといった。この…

カワック
3年前
35

アオ  (1500字小説)

私の言葉を分かる人がいない。 仲間がいない。 私の孤独や、どこかに消えていく言葉を 見える…

カワック
3年前
41

おばあちゃんとおにぎり  (1800字小説)

 僕には一緒に住んでいるおばあちゃんがいた。やさしくて大好きだった。おばあちゃんは僕を「…

カワック
3年前
39

夜を歩く  (1500字小説)

 子供の頃は、悪い人間じゃないといけなかった。「真面目な奴は面白くない」というのが彼らの決めたルールで世界の常識だった。多くの友達は世の中に自然に反発していた。「自分を偽って付き合わないといけないような友達は本当の友達じゃない」とか言う人がいるかもしれない。そう言う人にはきっと、本当の友達しかいないのだろう。僕にとっては、本当の友達も嘘の友達もない。ただ「友達」だ。それに、後から振り返ってあれこれ言うのは彼らに酷だ。  小学生のころ、夏のある日、水たまりの水に油が混じって、