夜を歩く (1500字小説)
子供の頃は、悪い人間じゃないといけなかった。「真面目な奴は面白くない」というのが彼らの決めたルールで世界の常識だった。多くの友達は世の中に自然に反発していた。「自分を偽って付き合わないといけないような友達は本当の友達じゃない」とか言う人がいるかもしれない。そう言う人にはきっと、本当の友達しかいないのだろう。僕にとっては、本当の友達も嘘の友達もない。ただ「友達」だ。それに、後から振り返ってあれこれ言うのは彼らに酷だ。
小学生のころ、夏のある日、水たまりの水に油が混じって、