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朝散歩 その絶大なる効果!

コロナ禍での重要な朝活のひとつとして昨年より行っている朝散歩とその絶大なる効果について書きます。

僕はカリフォルニア州ロサンゼルス郊外にあるバイオ製薬会社で平日は毎日会社に行って働いていました。しかし、カリフォルニア州でも新型コロナウィルスの流行がひどくなると2020年3月に会社のキャンバスも完全に閉鎖となりました。僕の仕事は、社内・社外ともメール・電話・ビデオ会議などを駆使することにより遂行可能なため、それ以降、完全に自宅からリモートで働くことになりました。筋トレ、ラジオ体操など家の中でできる運動は、これまでも続けてきましたが、コロナ禍で外出する機会がほとんどなくなってしまったので、昨年より早朝散歩を朝活のひとつとして取り入れました。始めたころは15分程度、近所を歩いてすぐに自宅に戻る簡単なものでしたが、その絶大なる効果のため、次第にエスカレートして今では少なくとも30分、場合によっては1時間以上に及ぶ僕の重要な朝活のひとつとなりました。

早朝散歩が、科学的に証明された健康維持に抜群の効果を示す運動のひとつであることが、習慣に取り入れるモティベーションになりました。精神科医であり、作家でもある樺沢紫苑先生の「脳を最適化すれば能力は2倍になる」などの著書にも説明されていますが、人が幸せを感じるために非常に大切なホルモンのひとつに、別名幸せホルモンと呼ばれるセロトニンがあります。このセロトニンは、朝日を浴びること、リズム運動、咀嚼によって活性化するので、朝日を浴びながら、リズム運動ができる朝散歩は、まさに科学的にも幸せになるために絶好の習慣だと分かります。また、質の良い睡眠のために重要な睡眠ホルモンのメラトニンは、セロトニンを材料として夕方に作られるため、朝散歩をしてセロトニンを十分分泌させることは、結果的に夜の睡眠の質をよくすることにもつながるのです。もちろん、朝に太陽の光を浴びれば、体内時計のリセットという意味でも、体にとって良いことだと容易に想像できます。

強い骨を維持するために重要だとされるビタミンDは、日光を浴びることによって活性化されますが、日中に強い日差しを浴びると日焼けによるシミなど皮膚へのダメージとのバランスを気にしなければなりません。早朝の日光は、日中の日差しほど強くなく、肌への影響をそれほど心配することなく、効率よくビタミンDを活性化できます。強い骨を維持し、骨粗しょう症になることを予防する意味でも、朝散歩は格好の運動というわけです。最近は、ただ歩くだけでは物足りなくなってきて、3~4サイクルほど途中で数百メートルランニングすることを取り入れました。膝の悪い方などは自分の体と相談して慎重に判断しなければなりませんが、ただ歩くのと、走るのとでは、骨への刺激が大きく異なります。走ることにより、歩いている時よりもずっと大きな重力がかかり、骨への刺激がより多く伝わり、骨の形成を促すオステオカルシンというホルモンがより効率的に分泌されます。なので、強い骨を維持することも目的とするなら、ランニングを組み込むのは良いアイディアでしょう。

あまりにも急激に変化する現代社会で、現代病やストレスなどの現代特有の問題を、人類の長い歴史を顧みて進化論的に考え、問題解決していこうという動きがたくさんの研究者の間で起こっています。室内でほとんどの時間を過ごす生活、パソコンを前にしてずっと座っている働き方、加工食品にまみれた食生活、将来に対する漫然とした不安からくるこれまでにない不自然なストレスなど、現代特有の生活からくる不都合な真実は、人類の数百万年に及ぶ歴史に対して、あまりにも短期間かつ劇的に僕たちに降りかかって、多くの人がそれに苦しんでいます。外に出て、可能な限りの自然に触れて、歩く、走るというには、進化論的に見ても最も自然な形の運動です。単なる体を動かすという意味の運動というだけでなく、自然に触れて不健全なストレスを減らすという意味でも、他の運動にはない絶大なる効果を持っています。

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特に僕の住んでいるロサンゼルス郊外のコミュニティは、大自然に囲まれた中にあります。大きな自然を眺めながら、感じながら歩いていると、Awe(オウ)体験ができます。Awe体験とは、圧倒的な自然などの雄大さの前では、個々の自分の悩みなどちっぽけに思え、前向きになれる体験です。散歩をしながら、大きな岩山を眺めていると、「これらの岩山は、僕が生まれるずっとずっと前から、何十年も、何百年も、生物の営みを眺めながら変わらずに、存在し続けてきたんだ! それに比べると僕たちの存在はなんと小さく、些細なものなんだろう!」と思えてきます。妻と口げんかしたこと、チームメンバーのレスポンスが遅れてプロジェクトに支障がでてムッとしたこと、あるいは、プロジェクトで起こっているまだ未解決の問題でさえ、この大自然に比べたら、些細でどうとでもなることと思えてきます。深刻な悩みを抱えている時でさえ、Awe体験は、八方ふさがりで自分には何も逃げ道がないと思えていた狭い考え方から、「何とでもなる」という大きな考え方へ導いてくれます。

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動物好きの僕には、たくさんの野生動物と遭遇できることも、散歩の楽しみのひとつです。ウサギやリスには、いたるところにいて1回の散歩中に100匹以上に遭遇していることでしょう。シカにもほとんど毎日遭遇します。この辺りは乾燥期が長く、岩山の木々は乾燥期中に枯れてしまうため、民家の庭まで下りてきて、みずみずしい庭の木々や花をむしゃむしゃ食べています。きれいに庭木を育てている人には大変迷惑な話なのですが。まれですが、警戒心の強いコヨーテ、アライグマ、オポッサムなどにも遭遇できます。今日は、シカに会えるかな?他の動物も見えるかな?と動物と遭遇することも僕の朝散歩の強いモチベーションになっています。

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早朝にはシカたちは民家の庭にまで遊びに来ます。

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コヨーテとアライグマ

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コミュニティには、僕と同じように朝散歩を習慣にしている人がたくさんいます。朝から不機嫌な顔で歩いている人はひとりとしていません。朝はみんな元気です。すれ違う時は笑顔であいさつし、それがお互いの元気を増強してくれる気がします。

散歩をしていて、仕事や家庭やその他今抱えている問題をすっかり忘れているようでも、僕たちの脳は、無意識のうちに今自分が興味を持っていること、情熱を燃やしていることをキープしています。散歩して、とても爽快な気分になっていると、デフォルト・モード・ネットワークと呼ばれる機能が働き、家で意識して考え込んでいる時には考えつかないような画期的なアイディアや問題解決策を思いつくことがあります。僕の場合、お風呂に入ってリラックスしている時と、この朝散歩の時が、デフォルト・モード・ネットワークが最も有効に働き、通常では思いつかない斬新なアイディアが得られる貴重な時間になっています。

このように朝散歩には、他の運動では得られないたくさんの絶大な効果があるので、ぜひたくさんの人に体験していただきたいと思ってます。朝が苦手でハードルが高いと感じる人は、焦らず、徐々に徐々に進めていけばよいと思います。まずは、午前中11:59までに外に出て少しでも歩けば、朝散歩です。朝散歩の第一歩は成功したととらえます。それを5分、10分、15分と歩く時間を延ばしていけばよいだけです。15分間歩くことをしばらく続けて習慣化できれば、気持ちよさを実感できるようになり、より朝早くに、より自分に合った長い時間歩きたいと、自然に体が欲するようになるでしょう。ぜひ、朝散歩の絶大な効果を楽しんでください!

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