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人間の話

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その辺にいる普通の人間の話
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#エッセイ

いけず石

近所のオッさんが敷地内をはみ出し、家が道に面するコーナーにデカい石をはみ出して置いている。印刷屋の兄ちゃんはカーブする際に車のバンパーを擦り、私道の持ち主は迷惑ながら何も言わない。そんないけず石に持ち主がニスを塗ってピカピカに光らせている事を今日祖父から聞いて笑った。

人生を180度変えた女

医者と結婚したわけでもなく、大金を相続したわけでもなく、女の人生は数年でコロッと変わった。住む事なんか考えた事もなかった関東に住み、車を乗り回し、男に頼る事をやめ女は1人で暮らす場所を見つけた。職を得、仲間を見つけ、女は暗い人生から自ら這い出したのだ。

負けない女

男達の悪事が頭を占拠するときがある。思い出すのは時間の無駄だ。しかしこれを書いている時点でむかつく男達のことを思い出しているというのが事実なのだ。
女は一文字一文字呪いの如く念を込め、文章を書くことで男達に波動を飛ばす。どうか男達の未来が真っ暗闇に包まれますように。

他に女がいた男

地元の友達と飲んでいるというのは常套句だ。男の所在は分からなくなっていたが、今朝私はその男が昔から一緒にウサギを飼っていた女と先週末映画を観に行っていた事を明らかにした。クソくらえである。そしてその現実は写真や私に男の電話番号を即座に消去する勇気を与えたのだ。

15年前から知っている男

その男は誰もが認めるエリートだ。頭が良いその男は普通の容姿なのに年齢=彼女いない歴の童貞である。デートの際のスマートな金払いやエスコートに欠け、夕食さえも共にとろうとしない。私を相手に発展的な会話も出来ず、こりゃ魔法使いまっしぐらだわと深く感じた。