恵叶(KATE)
2011年に書いた詩
その辺にいる普通の人間の話
未来に対する悦び 日常的に感じた喜び
著者が睡眠中に見た、ぼんやりした夢の話。平たく言えば夢日記。フィクションである。
或る男と女が一緒に過ごした長い年月の中で、幾度と繰り返された夏。短い夏が始まり、追いかける間も無く終わってゆく。素晴らしい思い出も忘れたい想いも、また新たな夏を迎えるごとに少しずつお互いの記憶から薄れるのだ。
人と分かり合える日なんか一生来ない。捻れた糸が勝手に戻る事も、冷めたスープが自然とあたたまる事も、絶対ない。
龍ちゃんへ 早く龍ちゃんがいる世界に行きたい 猫が死んだら、持ってるお金を使い切って さっさと死にたい この世に楽な人生はありません 一緒に生きていきたい人もない 子供もいらない 自分が生きてる意味が、今まで全く理解できない 働いて消費して排出してまた消化して 人は何のために生きているのか? 何でみんな幸せに生きているのか いい仕事についているのか 家族とは何なのか 血が繋がっても繋がらなくても やはり家族には成りきれない 生きていく中で疑問だらけ 私は龍ちゃんみたいに薬
フォローはしていないが、同級生のインスタを覗き見している。 奴はトタン屋根の長屋から、人気美容師になり 独立して今や繁華街に店舗を構え、 タワマンロレックス成金男になった。 数年前、奴が結婚した事を知った。 奴のインスタに女のアカウントがタグ付けされて、 その先に飛ぶと、如何にも水商売上がりらしい、 全身が統一感のない刺青で埋め尽くされた女が居た。 一つ前に付き合っていた同い年の派手な女は、 ホステスをし出したから別れたというのに。 左腕にはヤクザ顔負けの和彫、右胸には
Maison Margiela 無きあとの大阪農林会館 17歳の時の憧れ 白衣のスタッフとパチュリの馨り 市民権を得た足袋ブーツの台頭と あらゆる素材で作られた5ACの登場 今では田舎の大学生でも4つ糸の付いた財布を持っている レイジーサンデーモーニングの合成香料は鼻をつく Martinがブランド名から消えた様に 私の心から興味が消えた 今日10年ぶりぐらいに足を運んだら 農林会館の2階のあの部屋がもぬけの殻になっていた しかし、初期ペンキ塗りの足袋ブーツを ヤフオク
私は自分の心に嘘を吐き続けるペテン師である。 もう10年以上も前から、 自分の人生や性格を必要以上に悲観し、 根拠のない決めつけや他人の言霊に モノコトを考える場所を占拠されている。 自身のより良い姿を認知されるため 態度の大きさ声の大きさを 一般に許容される水準まで コントロールしようとするが度々失敗する。 往々にして、自らの身の上や関係のない話を喋りすぎ 周りが引き、笑い嗤う。 人が持つモノを欲しくないと言うのは嘘 人ができるコトをできないのは真 人並み以下の共感
愛されていると知っていながら あなたを手放す理由をいつも探し続けてる 当初から感じた違和感は消えずに 一日中私は自問自答する これで良いのか?幸せなのか? 私の、“愛してる“なんて 本当かどうか自分でもわからない だから、あなたも多分何か気づいているはず 金も仕事も地位も清潔感もまるで あなたの身辺には最初から存在しないようで 哀れや情けに侵食された汚い私の心は、 一つだけ光っていたあなたの将来性に 望みを託し私の時間を注ぐ 愛情という言葉の裏に潜む過干渉は 若者の自立
流れる時間の速度に 自らの老いを認め 周囲からの期待に 外れてしまった現在を責めた 灰色の羽を持ち 孤立した、湖の中 仕様も無い限界を決めつけ 人生における可能性を 徐々に破壊していたのだ 他人の幸福等 考えられる程 私には広大な心は持ち合わせて居らず 過ちから学ぶ責任の重さ 過去の 自分の軽薄さ 身で思い知る事は きっと私は独りなのさと
煌めく光が眼に沁みる 窓から入る冬の風が 孤独を一層強調するものとし、 特定の季節を拒み 疎んできた私の 頭に厭世の種を撒く 思い出す冷たい記憶は 貴方の手と心 街の視線 温かいフリをした 偽善の広告 きつと苦しいのでしよう 私を見張る二つの瞳が あらゆる場所でも 私を見つける二つの瞳が 如何して逃げようか 怪しく伸びる一筋の長い道から もう我慢する所作も忘れた 貴方の言葉に舌を噛み 反芻する気持ちを伏せる 何を食しても 美味しくないのだ 全てが黒い色を持つん
出来過ぎた愛は 宇宙をも狂ほす 雨を恨み 刻を戻せと嘆いた街。 大阪。 御堂筋を走る車内で いつもの音が鳴らぬのが 私の内臓を引き掴み 激しく、情意を 揺するのだ。 奴の手で 私が私の首を締めた。 いっその事、引き裂いてしまえ もう戻らん様にと 思い出す事もない様にと。 古いBAR 苦い酒の味 此れを啜る度 私はあんたを浮かべるんだ。 もう返す言葉も無いんだ。 あんたに与える隙も無いんだ。 舌が縺れ 遠い記憶の中の 乾いた息が 私をまた乱れさせてしまう。 出来過ぎ
保管用・2011年に作成 言葉を集めた 収集のつかぬ 行き場のない言葉を 溜める為 この場所を借りる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 深まる謎は 数奇な事柄を呼び寄せて 時に君を憂い 僕を育てた。 常に探して来た言葉は 過去へ行く途中に潜む 扉の鍵に成り 其の過程に僕を嫌う者達が居た 排除し、更に心からも排除し、 そうして 恐怖から身を隠す術を得たが、 其の先に残ったのは孤独 君も居ない、何も見えない 僕は闇の中に居たのだ 呼ぶ声には勿論、返事も無
2020年を形容する言葉を一つ答えるとしたら それは間違いなく「疫病」だろう。 私の2020年は富士山・河口湖から始まり 新型ウイルスの流布 トイレットペーパー不足のデマ、マスクの転売 パンデミックの混沌の中で本来記念するべき30歳を迎え 自粛・延期・中止の嵐の中で膨大な時間を自室で過ごし 密・コロナと騒ぐうるさいメディアからは距離を置き 国民が選挙で選んだ政治家は 自己保身のために足りない知恵を振り絞って マスクと10万を配り支持率を落とした 日本の将来への不安を感じ 海
あなたに会えなくなって4ヶ月が経とうとしている 2月、3月、治療法のない新種の疫病に感染した人が世界に広がり 私は5月中ばまでの大半を自室で過ごした あなたの顔を思い浮かべては 一緒に出掛けた時の写真を眺めて 寝る前にベッドの中で声や表情を思い出しては 夢で会えることを望んで 突然昼間にかかってくる電話に胸を躍らせ 気づくと話し込んで1時間以上が経過している 後日あなたが共通の女友達にも 同じ話をしていることを知って がっかりした軽い嫉妬のような気持ちと 否、私はあなたのた
20代に感謝 早く大人になりたかった10代を終え、 10年前の5月10日に20歳を迎えた。 大人の真似事をして、中途半端に責任の自覚をしつつ 肝心なところで人の力を頼らざるを得ないということを今まで続けている。 振り替えってみれば、成し遂げたものはなく 結婚も出産も近々の未来には見えない 近年では中々彼氏も出来ず、年齢の問題というよりかは、私の人格に対して魅力を感じる人がいないのかなと感じて落ち込んでみたり。 以前20代前半で人を愛するという事を知って 私が貴方を愛する
休業のお陰で、今迄疲れ摩耗し切った神経にやっと休息を与えられるのだろうが一切休まらない。【自粛】に隠された、世間の目に対する忖度や媚び諂い、陳腐なマスク配布と無慈悲な線引きで国民を分断する稚拙な答えは、善良な国民に飢え死になさいという暗喩でもあり全く、辟易・疲労困憊しているのだ。
今目撃した夕陽が幾ら美しいものであろうとも 陽の落ちる速度があまりにも早いあの夕方、 貴方と共有した夕陽に勝るものはないんだ 桃と空色、入り混じる白色がかった今の夕焼け 濃紺に薄い水色そして橙が滲む寒いあの夕焼け 私の心に巣食う虚無は孤独ではない 見えそうな未来に何もできないもどかしさ 一ヶ所に留まり、 換気されない空気を吸い続ける苦しさ 貴方は今忙しいらしい 私はそれで本当に嬉しい いつか近い日にまた逢えるという望みだけで この疫病の中正気を保っているようなものなの
10年前からそうだ。 嫌な気持ちを味わわせた輩 メンツを潰した輩 消えて欲しいと思った輩は しばらくして 大怪我 入院 移動 とにかく私の前から消えてゆくのだ。 まるで消去ボタンを押したかのように 私の視界からそっくり消える これでよかったのかな? 一種の才能かもな。