【サスペンス小説】その男はサイコパス 第27話【愛情と温情は、必ずしも最善ではない】
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「しかし……失礼ながら、どうしてあなたの法律事務所が私どもに依頼をしてきたのか、うかがってもよろしいですか」
「時道さんのお孫さん、つまり私の親友の水樹からも、とても良い話を聞かせてもらいました。時道さんも、今だ御社のことを信頼しているようです」
これももちろん嘘だ。
「はぁ。なるほど」
疑いを呼び起こしたか? 知也はそう思ったが、動じてはいない。まったく。プレッシャーも緊張もない。だからといって無責任に首を突っ込んだわけでもない。