【ダークファンタジー小説】ウィルトンズサーガ『古王国の遺産〜受け継がれるレガシー』 第5話
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幸い、老人は分かってくれた。
「ああ、そうだな。それは当然だ」
老人は人の良さそうなしわ深い顔にある、小さな黒い目で二人を見た。
「いくら払えばいいかね?」
そう言われるとウィルトンは少し困ってしまった。こうした時の相場はいくらくらいなのだろうか。
「上等な赤ワインをひと月分買えるだけの金がいる。一日に一瓶で」
とりあえずこう言ってみる。
「上等と言ってもいろいろ格があるがね。大きな金貨一枚でどうだね?」
ウィルトンは