ウィルトンズサーガ【厳然たる事実に立ち向かえ】3作目深夜の慟哭第41話
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三つ頭の巨犬を倒して、ウィルトンはその場に座り込んだ。ほっとして力が抜けていた。疲れてもいた。
アントニーが、先祖の高貴な骨で出来た杖を用いて、古王国魔術を使い、ウィルトンの火傷を癒やした。
新諸国の現在、魔術を癒やしには使えない者が多い。様々な効率化の末に、現代魔術は古(いにしえ)の技の一部を捨てたのだ。
「大丈夫ですか?」
アントニーの問いにウィルトンはうなずく。
魔術師たちに捨てられた癒やしの技は、今では力ある神々に仕