【授業】知識も学び方も、1回では身につかない②
前回の記事で書いたように、1度きりでは何も身につけさせることはできません。同じことを何度も繰り返し練習させることが大切です。
これは知識でも、学び方でも同じ。前回の記事では「帯活動」と「授業プリント」について書きましたが、今回は「単元構成」について説明したいと思います。
〈私の授業思想〉
いわゆる「アクティブラーニング」が流行している今、話し合い活動や表現活動を取り入れた授業実践が増えています。
しかしそのような活動も、1回行っただけでは「楽しかった」だけで終わってしまい、生徒に話し合う力や表現力は身につません。
身につけさせたい話し合い方や表現方法を、教師の中で明確にした上で、その力を身につけさせられるように同じ形の話し合い活動や表現活動を何度も繰り返すことが大切です。
〈私の工夫〉
同じ形の話し合い活動・表現活動を繰り返すため、私は単元構成に工夫を加えています。具体的には、各単元の終わりに、同じ形の話し合い活動と表現活動を、必ず行うようにしています。
私は「自分の意見を根拠を持って明確に主張すること」「意見の質を高めるために批判し合うこと」の2つを身につけてほしいと考えています。
そのため、1年次にはディベートを、2年次にはプレゼン合戦(特定のテーマについて班ごとにプレゼンを行い、質問や反論を受け、最後に最優秀プレゼンを決めるための投票を行う)を、各10回程度繰り返します。
ディベートにもプレゼン合戦にも進め方の型があるため、1年を終える頃にはその型がしっかりと見についています。
3年次にはその型を応用して、模擬選挙や模擬裁判、会社づくりなどの多様な話し合いを行います。
また、話し合い活動の後には必ずレポート(意見文)を書かせます。
「全員が学ぶ場にするために」でも書いたように、全員の参加を促すためでもありますが、大学進学率が50%を超える今、「自分の意見を根拠を持って主張(文章で表現)すること)」も、多くの生徒に必要な力だと考えているためでもあります。
このレポートにも一定の型があり、3年間で30本以上のレポートを書いた生徒の多くは、大学生顔負けの文章を書けるようになります。
〈まとめ〉
話し合いや表現活動も、1度きりでは「楽しいイベント」で終わってしまいます。
話し合う力、表現する力を身につけさせたいと思っているのであれば、同じ形の活動を何度も繰り返すことが大切だと思います。