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経営とビジネス

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理念経営を進める中小企業での「理念」と「利益(実利)」の考え方

理念経営を進める中小企業での「理念」と「利益(実利)」の考え方


背景: 直接的な利益につながらない投資をどう社内に説明するか?地域企業のアトツギが理念を定め、組織開発をしたり、理念に基づいた地域貢献的なアクションを行うと決まって社内から「金にならない余計なことばかり」とか言われます。ただ、その際には経営者として説明責任があり、「うるせぇ、黙って従え!」とも言えません。その中で、自分が今まで説明して納得度が高かった「理念経営と短期的なコスト増」を説明するための

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Deep tech/Place Based Innovationと地方企業の親和性

Deep tech/Place Based Innovationと地方企業の親和性

地方からイノベーションを!みたいな事を最近言われてるし、創業系のイベントにも自治体から沢山の予算がついてたりする。そういう時に大体、多くの人がイメージされてるのはアプリとかSaaSで一儲けしてくれみたいなことだけども、最近はそっちにはあんまり投資が集らなくなってるのは、地方ではあんまり知られてないところ(そして、すぐに田舎の新規事業コンサルはアプリかSaaS作らせようとする)。

今、注目も資金も

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地方の老舗企業でビジネスSHIFTに立ち向かう

地方の老舗企業でビジネスSHIFTに立ち向かう

KOBIRAは2022年9月から3年間の第4創業プロジェクトを進めていて、今ちょうどのその半分が終わったところ。まだ初めてたった1年半かと思うんだけど、組織、マネジメント、DX、広報、採用、全方面で大きく会社を変えることができた。その経緯や進捗などは下の年始の記事にまとめているので、読んでほしい。

主に「組織」「マネジメント」とリソースを配分してきて、ついに本丸の「ビジネスSHIFT」に取り組ん

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「理念経営」と「データドリブン経営」そして「物語経営」の掛け算でオンリーワン企業を作ろう。

「理念経営」と「データドリブン経営」そして「物語経営」の掛け算でオンリーワン企業を作ろう。

会社取り組みを経営戦略のフレームで考える最近ありがたいことに様々な媒体でも紹介され、また採用でもたくさんの優秀な方にもジョインしていただいています。2年前からすると考えられない状況です。

まだ自分が会社を第4創業として変え始めて1年半の取り組みなので、まだまだ足らないところもあるのですが、さらにこの取り組みを発展させていきたいと思っております。

その際に、会社の移転やDXなどの取り組みをどのよ

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「究極の地方中小企業」の話と、内的動機をベースにした目標設定のやり方

「究極の地方中小企業」の話と、内的動機をベースにした目標設定のやり方

というか郷土のリーダー目指してない今度、鹿児島県の「かごしま青年塾」という企画で地元の若手でリーダーになりたい方々に講演する機会をいただきました。この青年塾は「郷土の発展を支え、地域の核となる次世代リーダーを育成する」そうです。
おそらく以下のプレスリリースを見て、「こいつ(小平の事)は郷土の発展に燃えているので本社を地元に戻したりしてるに違いない」と判断されての選出なのでしょう

ただ自分は正直

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 111年企業の生産性爆増:Amazon方式でのマネージャー会議の変革

111年企業の生産性爆増:Amazon方式でのマネージャー会議の変革

1年間で会議が変わった:Amazon方式の採用とその成果創業から111年が経つKOBIRA社の社長をしています。うちの会社は、古い御前会議形式の会議形態をずっと行なっていて、会議が効率的な課題解決の場となっていませんでした。具体的には、各部長が社長の前で結果を読み上げ、予算達成であれば褒められ、そうでなければ怒られるという形式で、課題の報告、分析を通じて、課題解決の対策を議論する場として会議が機能

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「狂った老舗」と呼ばれたい

「狂った老舗」と呼ばれたい

前の投稿にも書いたけど、いろいろ会社の中をアップデート中。ミッション、ビジョン、バリューの設定に、リモート勤務や副業等々全面OKにするよう就業規則も全面改定、社員へのiPadとノートPCの配布、古かったシステム面もアップデートして、バリューから落とした社員の採用戦略の巻き直し、エンゲージメント調査、採用広報、本社移転計画、マーケにリブランディングなどなどなど直近だけでも結構ある。加えて創業110年

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【中小企業の経営計画の作り方】ミッション、バリューで現場の価値判断基準を明確にし、3年間の行動計画で社員の学びの方向性と目線を揃えればそれでOK。

【中小企業の経営計画の作り方】ミッション、バリューで現場の価値判断基準を明確にし、3年間の行動計画で社員の学びの方向性と目線を揃えればそれでOK。

自分でも何社か会社を起業してきたのだけど、今は100年以上続く家業の会社の社長を10年前に継ぎ、今はその仕事が主になっている。エネルギー商社なのだが、時代の流れの中でゼロカーボンも、顧客のUX向上も、コミュニティ支援も、SaaS開発もやらないといけない事は沢山あるのでひたすら学び続ける毎日だ。ありがたい事に興味の向くまま好きに仕事をさせてもらっており、今後も好奇心の赴くままに楽しくやっていこうと思

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鹿児島県ビジネスプランコンテストで準優勝でした。あと鹿児島でのスタートアップ支援の方向性を考えてみた。

鹿児島県ビジネスプランコンテストで準優勝でした。あと鹿児島でのスタートアップ支援の方向性を考えてみた。

鹿児島県ビジネスプランコンテントは準優勝でした先週末(2022/1/15)に行われました鹿児島県ビジネスプランコンテントに出て結果、準優勝(優秀賞)でした。カバー写真左が自分、すぐ右が塩田知事です。
自分の発表はMushTripという(ほぼ)オフグリット施設とEV交通と統合アプリを組み合わせたモデルで、過疎地域でも投資効果の高い宿泊サービスを提供できるようにしようというもの。参考にSlideSha

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燃料屋の未来は、メンテナンス、顧客体験(UX)、そして金融商品を売るエンベッドファイナンス事業

燃料屋の未来は、メンテナンス、顧客体験(UX)、そして金融商品を売るエンベッドファイナンス事業

2022年になったので自社のエネルギー事業(LPガス、電気、ガソスタ、再エネ周り)を俯瞰して、方向性を整理しようと思う。

LPガス事業は2040年位まではマーケットサイズは縮小するもののなんだかんだでキャッシュを産むと思っている。環境証書とセットでゼロカーボンLPガスとして売られるので1-2割くらいのコストはオンされるが、今もLPの価格変動は大きいのでユーザー的にはそんなに気にはされないだろう。

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コロナ真っ盛りでも会社に来ようとする営業マンを撃退し続けたこの夏。そして一周回ってクラシックなコミュニケーションも悪くないと思うこの頃。

コロナ真っ盛りでも会社に来ようとする営業マンを撃退し続けたこの夏。そして一周回ってクラシックなコミュニケーションも悪くないと思うこの頃。

令和3年はずっとコロナ真っ盛りだった。仕事の取引先の対応は業界によって真っ二つ。zoomで良いオンライン派と、何度断っても会社にやってこようとするオフライン派。マジかよと思いながらも東京や福岡から(彼らからしたらウイルスフリーな)鹿児島にあの手この手でこようとするのを断り続けたものだ。

特にエネルギー業界の営業マンに多いんだけど、本当に何かと理由をつけて会社に来ようとする。来て会って、雑談して、

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DXによる正社員の空洞化と再教育ビジネスのマーケット拡大

DXによる正社員の空洞化と再教育ビジネスのマーケット拡大

今年うちの会社では基幹ソフトの入れ替えをした。昔とった杵柄でSAPかなー、と思ってたが要件的に国産のソフトが痒いところに手が届くようで導入。RPAもペーパーレス化も大きく進み良かったが、入れて1番の問題は処理が自動的されて人が余るようになったという事だ。

アメリカ、EUの会社なら余った人員は解雇の一手。ジョブに紐づいて仕事があるので、仕事がなくなっての解雇は認められる。今回のうちの会社の場合は余

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11年間トマト農場を経営をしてバイアウトしたので、一次生産者のことは理屈抜きでリスペクトしてる

11年間トマト農場を経営をしてバイアウトしたので、一次生産者のことは理屈抜きでリスペクトしてる

3年くらい前まで自分は「トマトの人」だった。2008年に農場をいちき串木野市に作って、最終的には8000m2まで拡大。2019年にNECグループのNECAPさんに売却した。

当時としてはIT導入も早かったし、資材を自社でオランダから輸入したり、IPMを導入したりといろんなことをして割と注目も浴び、試行錯誤と投資を繰り返して最終的には自分として納得のいくトマトも出来た。糖度は8度くらいだけど一定の

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「キャッシュフローはプラスにしよう」と「胸を張って仕事出来るようにしよう」以外の経営目標はいらない気がしてきた。

「キャッシュフローはプラスにしよう」と「胸を張って仕事出来るようにしよう」以外の経営目標はいらない気がしてきた。

なぜ会社は人間関係が面倒くさくなりがちなのかと考えていて、それは「売上を大きくしようぜ!」という経営目標の設定が原因な気がしてきた。売上大きくするという経営目標があると、目標達成のために役に立つ人と役に立たない人が露骨に出てくる。人は向き不向きがあるので適材適所で良いのだが、売上が目標だと営業できる人に評価も偏りがちだ。さらに適正に評価精度が設計されてないと営業の間でも「私の方が頑張ってるのに評価

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