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美味しい北東北

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北東北の食に関する記事やつぶやきまとめ
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#魚

2日と1時間半かけて「干かすべ」から「かすべ煮(エイヒレの煮付け)」を炊く

2日と1時間半かけて「干かすべ」から「かすべ煮(エイヒレの煮付け)」を炊く

 関東地方に住んでいた頃、これまで当たり前に見てきた食材がスーパーに並んでおらず驚いたことは何度かあった。その中でも自分にとって筆頭と呼べるものがかすべだ。

 東北地方、または北海道や新潟県などに住んだ経験のある方は、スーパーの鮮魚コーナーに独特の形状を桃色の肉の塊が並んでいるのを見たことがあるだろう。

 かすべと呼ばれるこれの正体はエイの仲間のヒレの部分である。厳密に言えば、写真のものは皮を

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助宗たらの丸干しは過小評価すぎやしないか

助宗たらの丸干しは過小評価すぎやしないか

 北東北の太平洋側のスーパーでは、よくタラの丸干しという干物が売られている。

 丸干しと言っても頭と内臓を取り除いたドレスと呼ばれる状態で干したもので、さらに言えばタラはタラでもよくイメージされる大きなマダラではなく助宗たら (標準和名はスケトウダラ、あるいはスケソウダラ)と呼ばれる大きくても30センチ程度の小ぶりなものだ。
 助宗たらと言われてもピンとこない方も多いかもしれないが、いわゆるタラ

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ハモじゃない!マアナゴでもない!でも美味しい!「沖ハモ」の旨さを再確認する

ハモじゃない!マアナゴでもない!でも美味しい!「沖ハモ」の旨さを再確認する

 青森県や岩手県の魚屋では、時折「沖ハモ」と表記された細長い魚が開かれた状態で売られている。

 ハモは基本的に暖かい海で獲れるはずなのに、多くの場合表記されている「青森県産」または「岩手県産」の文字と、透明感のあるハモの身とは似ても似つかない真っ白い身からわかる通り、この魚はハモではない。
 この魚の正体はイラコアナゴという太平洋の深海に生息する魚だ。

※このイラコアナゴという名称については、

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