KANATA
とある恒星系に位置する、人類の文明が高度に発達した惑星と、その周囲に展開された衛星要塞都市ユニオノヴァを舞台にした物語。騎士候補生のヴィクトル・シャンドランと彼のバディである戦闘型ネウロノイドのシルヴィオは中継ステーションエルダを見学のために訪れていた。そして突然の事件に巻き込まれる。この事件をきっかけに、ヴィクトルは転換期を迎えて揺れる時代の大きなうねりの中に、その身を投じていくことになるのだった。衛星都市ユニオノヴァと地上の世界観を紹介するシリーズの最初の一冊。
木の実と葉、小枝を使って、猫の顔が砂場の砂の上に描かれていた。目と鼻がどんぐりで、口には逆さまにしたイチョウの葉っぱ、輪郭は小枝で作られていた。 『ああ、子供の頃、こんなことしたな。』 僕はそこにあったパーツを使って、魚に作り変えた。どんぐりを二つ持て余したので、魚の口から泡を二つ出すことにした。更に砂の上には、波形と海藻を書き加えて完成した。 『うん、なかなか良くできた。』 一仕事終えた気分で、近くのブランコに腰を下ろし、揺れてみた。夕暮れと共に、少し冷たい風
「働いて」 折句意識し 歌を詠む は はせるそら た たそかれどきの ら らんかんに い いちょうばとまり て てにせしいえじ 馳せる空 黄昏時の 欄干に 銀杏葉とまり 手にせし家路 仕事帰り、夕暮れの刻々と変わる空に想いを馳せていると欄干に銀杏の葉が落ちてきた。それを手に取り、家路を行った。 ------------------------------ こちらの企画に参加させていただきました。いつも素敵な企画ありがとうございます。
私が書くのは主に小説です。念の為誤解がないように前置きをすると、小説自体は全て私のオリジナルで、プロットは全て自分で考え、文章も、登場人物の性格、話癖まで、全て私が考えています。 しかし、どうしても経験したことがないようなシーンを書きたい時、チャットGPT(以下GPT)に意見を求めます。GPTを使うのは、作成した文章に対する、構成や設定、流れの自然・不自然の評価です。 今回、《ともだち 第5章》を書くときにおせわになりました。 肝は…職質…。実施されている様子を
第4章はこちらです↓ 綾人の指導のおかげで、加賀はゲームセンターを満喫していた。 右半身が麻痺した以前の体では、できるゲームは限られていたため、ゲームセンターまでわざわざ足を運んで遊ぶことはなかった。何度か付き合いでクレーンゲームで遊んだことはあったが、一人でゲームセンターに来るのは初めてだった。 ゲームセンターに到着したのは、10分ほど前。到着後すぐ、綾人のアドバイスで財布の中を確認した。100円玉がほとんどなかったため、両替機で千円を両替した。 『使いすぎな
第3章はこちらです↓ 加賀は人が集まっている場所を避けるため、遊具エリア近くの出口から出るのを断念し、公園の反対側にある出口へと向かっていた。 「いやー、怖かった…あんな不審者を見る視線を大量に浴びるの初めてで…」 『ふふふ…あんなところで、あんなことする人、オレも初めて見たよ…』 言葉は呆れているようでも、声色は朗らかで、むしろ尊敬の念を含んだような響きさえしている。先ほどよりも少し綾人の心が和んでいるように思えて、加賀は安堵した。 『でもね、なんか嬉しかった…
霧の朝 折句意識し 歌を詠む き きみ恋し り リンドウの咲く の のの道を あ あさきゆめみし さ さまよふ旅路 君恋し リンドウの咲く 野の道を あさきゆめみし 彷徨ふ旅路 リンドウの花言葉: 永遠の愛、悲しみ、嘆き、誠実、正直 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー こちらの企画に参加させていただきました。いつも創作意欲を掻き立てられる素敵なお題、ありがとうございます。 いつもは小説で参加させていただいていま
※NOVEL DAYSにも同じものを連載しています。 それは突然起こった。赤い筋が放射状に二回、空に放たれた。同時に二人の候補生が首元に手を添えてその場に静かに跪いたかと思うと、うつ伏せに倒れ込んだ。それまでの和やかな空気から一変し、事態は急変を迎えた。ヴィクトルが想像していたよりも遥かに残酷な方法で、彼の予測は現実となった。 事が勃発した直後のヴィクトルの行動の速さは、迅速などという表現を超えていた。ここに来るまでの間に環境の観察や状況の分析、有事のイメージトレーニ
第2章はこちら↓ 花束がいくつも置かれているところに一人の女性がしゃがんだ。そして、手に持っていた花束をそっとそこに添え、目を瞑り手を合わせた。彼女の姿を目にした加賀は目を見開いた。そして、ゆっくりとその人物に近づき、横までいくと同じようにしゃがんだ。 「先生?」 加賀は静かに声をかけた。女性は彼が小学六年生の時の担任教師だった。彼女は顔を上げ、少し驚いた表情をして彼を見た。彼女の瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。 「すみません…どちら様ですか?…あ、ごめんなさい
※第1章はこちら。引き当てたカードの情報の後に、本編が始まります。全7章の予定です。 病院を後にして少し歩いたところで、香夜はスマホを取り出して、電源を入れた。すると直後に電話が鳴り始めた。あまりのタイミングに彼女は驚き、スマホを取り落としそうになりながら、画面に目を落とし、発信者を確認した。電話の相手は相棒の土井涼介だった。香夜よりも三年先輩で、二人は昨年からタッグを組んでいる。 香夜は急いでイヤホンを装着すると、通話ボタンを押した。 「土井さん!驚かさないでく
※NOVEL DAYSにも同じものを連載しています。 ※急に⑯になってますが、ここから一回につき、一話更新になり、⑧以前は今後分解して、直前は15話になる計算なので今回は⑯になりました。 ※登場人物の画像はマイクロソフトの無料AI画像ジェネレーターにより、小説内の描写を中心に情報を追加して出力しています。 シェラはカップを口に当てると、カフェラテを一口含み、カップをソーサーにおいた。しかしすぐにまた手に取りを繰り返し、あっという間にカップのほとんどを飲み干した。 彼女
何か書きたいと思ってもなかなか手がつけられない時… やっぱり、カードに頼ります。 「いつ、どこで、何を、どうした」 というカードが12枚ずつありまして、それぞれをランダムに引きます。 そのまま続けても文章になります。 大抵の場合、あまり自分では思いつかなかった設定が提示されます。 今回は、 「クラクションで起こされた日に、308号室で、陶器の人形を、素知らぬ顔でポケットにしまいました。」 結構、攻めた匂いを感じさせる内容です。 それを踏まえつつ… でも、これ
紅葉から初雪まではあっという間だった。庭一面が一晩で真っ白になった。赤や黄色のメープルリーフに雪が乗る様子を瞳に映し、リンはキラキラとした笑顔を浮かべた。 彼女にとっては引っ越して来て、この町で迎える初めての冬だ。以前住んでいた場所よりも、冬の訪れが二週間ほど早いようだった。 リンは後ろのベッドに丸くなって寝ているポラリスに声をかけた。 「すごいよ!外で遊ばない?まだ誰も踏んでない雪だよ!」 すると、ポラリスは首を上げて閉じていた目を億劫そうにうっすらと開けた
現在、SF長編小説『ユニオノヴァ戦記 はじまりの事件』というものを書いています。 プロットや文章、言い回し、物語の展開など、設定や文章は全て私のオリジナルで、AIを使うことはありません。 しかし、物語にはアンドロイド以外にネウロノイドという本作品オリジナルの人工人体がおります。 特に、高度AIを搭載されていると思われる(別の恒星系の話で地球ではないのでAI的な技術ですが物語中ではAIと表現していません)、ネウロノイドと人間のやりとりについて、人間すぎず、機械すぎ
※NOVEL DAYSにも同じものを連載しています。 ※登場人物の写真はマイクロソフトの無料のAI画像ジェネレーターで登場人物の小説中の描写と追加情報を入力して作成しています。 (頭の中でイメージした人物がそのまま画像にできるって…まるでSFの世界のよう…) 直感 ヴィクトルとシルヴィオの間で緊張感が高まっていた。相手にアカデミア関係者がいることが想定される以上、こちらも彼らの技能に対応するために本気で、真剣に取り組まなくては略奪を成功させてしまう可能性がある。 し
※短編の範囲内の文字数だと思いますが、長めです… よろしければ、お時間ある時に是非…。 「秋と本能は引き合う関係にあるわね。」 美月は納得したように頷きながら、秋限定、新発売のコンビニスイーツを口に頬張った。それからもぐもぐと口を動かして、幸せそうに目を閉じた。 どこから出したのか璃玖は全く気づかなかったのだが、先ほどまで食べていたものとは違う包み紙のスイーツがいつの間にか美月の手に握られていた。 「おい、お前、それ、いくつ目だよ。」 「いくつだったかな…でも、い
今現在、連載をしている小説は三つ。 おそらく長編になるので、一旦ここで整理して世界観を明確化しておくための備忘録。 概要 ー 黒猫とリン 書く話題を求めて引いたカードからできたものがたり。 短編の繋がりで物語を展開。 登場人物は少なめで主要登場人物は三人。 ー 同居人は天狗さん 美月と同居人であり天狗である璃玖の物語。 主軸となる二人の物語と、サイドストーリーで構成。 長編+短編で構成される。 登場人物は主要登場人物が八人程度。 サイドストーリーの通りすがりの登場