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とんかつ愛を語る 福田和也とドリフ

連日、福田和也のことを書いて、福田さんに粘着しているみたいだけどね。

これで、本当に終わりにしたいけども。


いや、昨日、福田さんは、トンカツの食い過ぎで死んだ、トン死だ、みたいなことを書いて、気になってたんですね。


福田さんに悪い、というより、トンカツに悪い気がして。


ようやく秋風が吹いて、柿生の「柿まつり」の時期だけど(今年は10月12日)、実は柿生というまちは、半分は柿で、半分はトンカツでもっている。

なんと言っても、わがまち「柿生」には、トンカツの名店「とん鈴」があるからね。「とん鈴」がまちの誇りなんです。

もし私がトンカツの悪口を言ってるとバレたら、安全にまちを歩けなくなる。


昨年の「とん鈴」リニューアルオープンのさいは、私も記事にしました。


福田さんについての記事が、トンカツの悪口のようになってしまったのは、私も不本意だった。

男は黙ってトンカツを食え、だの、トンカツ屋を守るのが保守主義だ、だの福田さんに言われるのが、イヤだっただけで。

あんな都会のボンボンに、トンカツのことをあれこれ言われたくない。


わが「とん鈴」は、加藤茶さんがファンであることで知られているけど、加藤茶さんがトンカツを語るなら、許せる、というか、腹に落ちる。

ドリフとトンカツ、は、とてもいい組み合わせでしょう。

保守とトンカツ、で、組み合わせて欲しくない。

トンカツ屋を守るのが保守主義だ、と言われても、くっだらねえ、としか思わないけど、トンカツ屋を守るのがドリフだ、と言われれば、そのとおり!と思うじゃないですか。


それに、まあこれを言っては悪いけど、トンカツ愛を語るなら、早死にしちゃダメだよ。トンカツの評判を落とす。

加藤茶さんにみたいに、長生きしないとね。


ちなみに、私は仲本工事さんのYouTubeのパチンコ番組を好きでずっと見てたけど、あの人も80になって、タバコを吸うし、脂っこいものが好きそうだった(甘党で、酒はあまり飲まなそうだったけど)。

健康に関して、意識高くなさそうで。それがいいんですよ。そういうとこが、ドリフだなあ、と思っていた。仲本さんは、残念ながら交通事故で亡くなった。


福田さんの悪いとことして、衒学趣味があった。

それは、與那覇潤さんも指摘していた。


世評の高い『日本の家郷』は、「俺の博覧強記を見ろ!」といった衒学性を感じてしまって、自分にはダメだった。
(與那覇潤「批評家・福田和也を悼む」)


「奇妙な廃墟」のおびただしい数の仏書を並べた文献表についても、「こけおどし」と言う人がいた。

「俺はなんでも知っている」とひけらかす、それは、浅田彰とか、あの辺の世代の悪い癖です。

いやらしいし、なんでも知ってるわきゃないし、なんでも知ってても別に偉くないし。

たくさん固有名詞を知っているのが偉い、と信じる愚者にだけ威光が通じる。

トンカツを語る福田さんの口吻にも、それを感じてね。

ポストモダンの魔手がトンカツに伸びている!と思った。


トンカツ愛を語るつもりが、また福田さんの悪口になっているので、謝りたい。トンカツに対して。

「とん鈴」で、あの絶品のロースかつ定食を食うときに、福田さんの顔を思い出したくないだけだ。

「とん鈴」バンザイ! これだけ褒めときゃ、柿生で袋叩きにあうことはないだろう。


あと、小谷野敦さんが、福田さんの死にさいして、保守派の文芸評論家は早死にするみたいなことを書いてたけど。


保守派の文藝評論家ってのはよく死ぬなあ。江藤淳、松本健一、樋口覚。まあ桶谷秀昭とか生きてるけど


私の印象では、保守派のほうが、左翼よりも、人づき合いがいい。人好きする、と言うか。一般に面倒見がいい。

それで飲み食いがふえて、寿命を縮めるとこがあるんじゃなかろうか。

西部邁さんなんかも含めて。

酒席で人を教育するようなとこがある。イデオロギーに関係なく。

全人的に人を育てようとする。だから、教育者に向いている。

そういう部分は、本を読んだだけではわからない。

福田和也さんも、教育者として優秀だったんじゃないでしょうか。学生とか弟子筋からの悪い話はほとんど聞かない。

トンカツじゃなくて、そういう人格のために早死にしたのかもしれん。

とにかく偉い旦那でした、福田さんは。


<参考>


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