100%家庭料理! 簡単ヘルシー、タミーのチーマ・ディ・ラパのパスタと初対面のミラノのレントゲン
ミラノはもうすっかり冬到来!という感じ。
待ちに待ったチーマ・ディ・ラパの季節です。
チーマ・ディ・ラパとは蕪の葉という意味ですが、日本ではターニップトップとも呼ばれて種が売られているそうです。日本の菜の花に似ている野菜です。
ターニップトップや菜の花の大量入手が難しかったら、カーボロネロなどの濃いめの味の緑色野菜でも代用可能です。もしかしたら、ほうれん草でも美味しいかも。
当然、使う野菜により味は変わります。
チーマ・ディ・ラパは冬が旬の野菜なので我が家の下のメルシェでは11月中旬の先週まだ1kg 3ユーロでしたが、今週は1kg 2ユーロ。適正価格になって来たので1kg購入しました。
今回紹介するチーマ・ディ・ラパのパスタは、鍋で煮る式のインスタントラーメンより簡単なパスタです。
簡単パスタの代名詞とされるアリオ・オリオ・ペペロンチーノよりも簡単なのに野菜もたっぷり取れてとてもヘルシー。
チーマ・ディ・ラパのパスタとして有名なのはオレッキェッティ(とうい耳たぶのような形のパスタ)チーマ・ディ・ラパというプーリア地方の代表郷土料理があり、そのうちそちらもご紹介しますが、これはもっと簡単で、全く飽きの来ないシンプルな逸品。
簡単すぎるので、レストランのメニューに並ぶことはありません。
100%家庭料理。
教えてくれたのはグルメ友タミー。本当の名前はタマーラですがもう一人のグルメ友タマルと似ているので、このブログ上は彼女のお母さんピーナが使っている呼び名「タミー」にします。
タミー母娘は形容詞が見つからないほどのお料理上手。
今後も複数回登場予定なので、タミーの話 Part Iをレシピの後に少し書きます。
<材料> 二人分
・チーマ・ディ・ラパ 400g-600g (茎も含めた重量・葉と花の部分だけを使います)
・パスタ(スパゲッティ、リングイーネなど) 160g
<調味料>
・粗塩 一握り(パスタ茹で用)
・オリーブオイル
<作り方>
1・鍋にパスタを茹でるたっぷりのお湯を沸かします。
2・チーマ・ディ・ラパは茎を除いて葉と花の部分をよく洗います。
3・2を5-6cmのざく切りにします。
4・パスタ用のお湯が沸騰したら、粗塩を加えパスタを投入します。
5・4に3のチーマ・ディ・ラパも投入します。
6・パスタがアルデンテにゆだったらスコラパスタ(ざる)に上げ皿に盛り付けます。
7・たっぷりの美味しいエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルをかけて、熱々をいただきます。
タミーによるとパスタがオリーブオイルで溺れるくらいオリーブオイルをかけるのが王道だそうだが、日本人の私は30年以上イタリアに暮らしていてもそこまでオイルはかけられない。。。
*このパスタにはチーズも似合いません。野菜と炭水化物だけで物足りない時は、私はオイル漬けのアンチョビを2切れほど添えますが、タミー曰くそれでは「味が強くなりすぎる」とのこと。
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タミーの話 I なりそめ
タミーと知り合ったのは、2000年代半ば彼女が郊外型の大規模アウトレットの新マーケティング マネージャーに就任した時、クリスマスのインスタレーションをするデザイナーを探していると呼び出されたミーティングだった。
以前勤めていたPR事務所の同僚が私をノミネートしたという経緯。
その年、大手ビールメーカー主催のデザインコンペティションの審査員をしたときにPRを担当していたのがその事務所だったからだ。
タミーは私より数歳若い。
初ミーティングを始める前、タミーは私の顔からおへその辺りまで素早く縦に見下ろした。
90年代(多分80年代も)ミラノのデザイン関係の有力ジャーナリストや有名雑誌編集部の人達が初対面の若手を品定めするときに、頭のてっぺんからつま先まで縦にゆっくり見下ろし、そして見なかったようにぽいっと顔を背ける、というのが多かった。決して感じの良いものではない。今改めて思い出すとそういうのは特に女性のジャーナリストが女性のデザイナー、ライターに対してしていたと思う。
品定めをされる側の私たち若手デザイナーや編集部とコラボするフリーランスのライターなどはそれを「ミラノのレントゲン」と呼んでいた。
タミーのもちょっとそれに似ていたが、顔からおへその辺りまで素早く、程度だから悪趣味ではなかった。
イタリアのデザイン界というのは極めて男権的で、女性のクライアントはほとんどいなかった頃の話だ。多分タミーの世代が、オーナーの娘とかではなく、実力でのしてきた女性マネージャーの第一世代なのではないがろうか。
仕事は彼女の後ろ盾もありスムーズに進んだ。一緒に仕事を始めて暫くは極めて「職業的」な付き合いだったが、彼女が当時の彼、今の夫エンリと一緒に住み始める頃、「個人宅のインテリアも仕事として受ける?」と聞かれた。
個人宅のインテリアというのはデザイン設計実務よりクライアントの家族内の人間関係など心理的な要素が重要になる仕事で、デザイン設計とは無関係な事に膨大な時間とエネルギーを割かれるのが常。忙しく仕事に追われていた当時とてもフォローしきれなそうだったので、個人宅はあまり気が進まない、と柔和に断わった。
大規模アウトレットのクリスマスのインスタレーションは彼女のマーケティング マネージャーをしていた支店以外にも彼女の進めで同じ系列のイタリア エミリア地方やドイツでもすることになり、インスタレーション以外のアドバイサーとしても、コラボレーションは数年続いた。
その後エンリと一緒に住む家の部分改装のデザインを三度受け、そして親戚中集まるクリスマスの食事に招待され、タミーとエンリの結婚式に招待され、と私たちの「職業的」な付き合いは自然と友達つき合いになっていった。
記憶では仕事上私が切れて激怒するような場面があった。彼女のしたことではなく彼女の同僚のしたことで。その時、タミーは怒った理由をじっと聞いていた。仕事上ではいかにも一人っ子育ちらしく推しが強いのに、感情的にならない、そして率直な人柄のおかげで今でも友達でいられる事に感謝。
そして何よりお料理が上手だ。
面白いレシピを入手すると情報交換もする。
そんな付き合いなので彼女から教わったレシピは多数あるが、このレシピは親戚並に親しくなってから教わった。
シンプル過ぎて、所謂おもてなし料理ではないからだ。
タミーは今後も複数回登場予定なので、今回はこの辺で。