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最新映画『ラストマイル』が今の私に問いかけてきたこと。

「いまの仕事が、人生の生きがいだ」
そう信じていた数年前、私は一体何を大切にしていたのだろう・・・?

そしていま、「私は何を大切にしたいのだろう・・・。」

 映画『ラストマイル』が問いかけてきたのは、単なる事件の解決ではなく、自分自身に向き合うことであった。

ラストマイル」とは、商品の配達や通信サービスが、最終目的地(家やオフィスなど)に届くまでの最後の部分を指します。

 便利さの裏にある他者の労働、そして本当に守りたいものとは何か――そんなことを改めて考えさせられた映画体験だった。

さて、これをお読みのあなたは、仕事において何を一番大切にしているだろうか?(だれ)


映画から受け取るメッセージは、受け手次第

 映画とは不思議なもので、同じものを見ても、観るタイミングや気持ち次第で、受け取るメッセージが変わってくることがある。

『ラストマイル』もまさにそんな映画だった。
大手通信販売会社の爆破事件を追うサスペンスだと思っていたのに、途中から何だか違うことを考えさせられていた。

そんな私の心に一番訴えかけられたのは、

「自分は仕事で何を大切にしたいのか」

というメッセージだった。

仕事=生きがいだった頃の私

 私が理学療法士として病院で働いていた数年前、仕事は私の人生そのものだった。
人の生と死に向き合う現場で、私自身もその緊張感と共に生きていた感覚がなんとなくある。

感覚的なものだけでなく、物理的にもそうである。
 台風や大雪で交通網の混乱など、どんな状況でも仕事に行くのは当たり前のことだったし、休みが取れないことも「この仕事に就いた宿命だ」と割り切っていた。

教員をしていた姉が、台風で登校中止になっているのを横目に。笑

また、帰宅後や休みの日でも、患者さんのために文献を読み、勉強する日々。

まるで「仕事のために生きている」ような感覚で、プライベートは一旦後回しにしていた。

ある種のプライドでもあった。

 当時はそれが正しいと思っていたが、最近思うのは、

どこか、自分の人生としっかり向き合う余裕がなかったのかもしれない、、、

という事だ。

自分の時間や気力をすべて患者さんに注ぎ込んでいることを肯定することで、気持ちを誤魔化していたのかもしれない。

独立して気づいた『大切にしたいこと』

 しかし、独立してから私の考えは大きく変わった。

 自分の時間を自由に使える環境にいる今、あの時期の自分に疑問を感じることがある。
仕事に全力を注ぐことはもちろん重要だが、自分の人生を大切にすることも必要ではないだろうか。

ここにきて私はようやく、何が本当に大切なのかを考えることができるようになった。

 映画『ラストマイル』では、消費者と生産者、そしてそれを繋ぐ物流関係者の働き方が描かれている。

 私たちは当たり前のように「送料無料」や「即日配達」を選ぶが、その背後にどれほどの労力があるか、深く考えたことは少ないのでは?と思うのだ。

「送料無料だから」と軽い気持ちで選ぶことが多いが、この『ポチり』が、誰かを圧迫し、何かを崩しているのかもしれない。

仕事と自分、そして他人の仕事とだれか

 映画を観た後、私の考え方が少し変わった。

映画の中で、さまざまな側面から仕事と人の関係を垣間見る場面がある。

仕事に人生をかけ過ぎて、心を壊す人
自分を削って仕事をするのが、正義な人
仕事はあくまでお金のため、な人
命をかけて、仕事をする人
一旦仕事から離れて、自分を見つめ直す人

世界は誰かの仕事で出来ている

ジョージアCMより

ジョージアのCMでお馴染みのコピーライター梅田悟司さんの言葉でもあるように、まさにそうである。

大抵の人は、生きていく上で切っても切り離せないのが仕事。

この映画では、大手通販サイトが例として挙げられているが、深いところでは、どの仕事でも同じではないかと思うのだ。

 不必要な即日配達や、送料の裏側と意味をもう少し考え直したい。ちゃんとラストマイルを繋ぐ配達業者に、きちんと対価を払っているお店で物を買いたい。そして、荷物の受け取りの際には、1人の人間として感謝を伝えたい。

 映画『ラストマイル』は、私に大切なことを教えてくれた。過去の自分、現在の自分、そしてこれからの自分に向き合いながら、その時々で仕事や人生のバランスをどう保っていくべきかを考え直すきっかけをくれた。

そして、他者の労力や時間に感謝しながら、自分自身の人生も大切にしていきたい。そんなことを改めて感じさせてくれた映画だった。

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kaho|理学療法士・パラレルワーカー
最後まで読んでくださりありがとうございます^^! こんな感じでダイエット・美容からキャリアの話まで、ちょっとためになるようなお話をお伝えしていますので、また読みに来てくださいね❣️