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感想

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読んだ本の感想を書いていきます。 もしかすると読んでないかもしれません。 映画や演劇などに射程が伸びる可能性も拭えません。
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#漫画

三島芳治【児玉まりあ文学集成】

「ムンガスジーホコ症候群」という病気をご存知だろうか。

というと、恐らくは誰も知らないと思われる。何故ならこれは私が今適当に作った症候群、言葉であり、そんなものはこの世に存在しないのである。少なくとも現時点では。

だが三島芳治【児玉まりあ文学集成】の児玉まりあは、笛田くんとのしりとりの中で咄嗟に「リタタリウム」なる存在しない言葉を創り出し、言葉に追随するように、その三日後に遠い国で「リタタリ

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光用千春【コスモス】

離婚(別居?)のため母親は家を出、残されたのは気落ちする父親&思考する小学3年生・花さん。そんな花さんが、家族とは友達とは人生とはと、割り切れない悩みについて(重苦しくなく)思考していく。

この花さんの絶妙な達観というか、子供であることを自覚しつつ妙に冷めた目で分析的になると同時に、友達と旅行に行く算段を立ててはしゃいだ表情を浮かべる無邪気さがある。そのシームレスさがいい。フィクションにおける小

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夏目漱石【草枕】/ニコルソン・ベイカー【中二階】

今更だが夏目漱石の【草枕】を読んでいる。
芸術論・創作論の開陳が多いのだが、それが単に説明的なものに堕さず辟易しないのは、画工である「余」がじっさいに歩く外界の風景や目にする骨董の描写が的確で、説得力があるからだろうか。

「俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を描き、自然主義や西欧文学現実主義への批判を込めて、その対極に位置する東洋趣味を高唱

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ブルボン小林【ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論】

週刊文春で連載されていた漫画評集の、シリーズ三冊目。着眼点がいい意味でズレているのは健在で、作品の、大袈裟に言えば世界の見方を180度回転させられる気分になる。それをぴたりと言語化する筆力もすごい。「(作者に煙たがられこともしばしばある)にも関わらず、この世に評の言葉がなくては、と思う」「そして、その評はなるたけ、ふざけていないといけない」あとがきにあるこの言葉の通り、遊びのある評が繰り広げられて

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衿沢世衣子【シンプルノットローファー】

『制服ぬすまれた』で俄かに(?)認知度が高まっている著者の連作短編集で、とある女子高、とあるクラス、とある瞬間を切り取った群像劇。別段事件らしい事件も起こらない、はっきりとした起承転結もない。分類としては「日常系」になるのかもしれないが、そう分類してしまうのも憚られるような手触りの作品で、じゃあこの手触りはどこから来るのか。

他の漫画やアニメでは〇〇回というのがあって、この作品もある意味では同じ

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ヤマシタトモコ【違国日記】

小説家の槇生が、交通事故で両親を亡くした姪の朝を引き取るところから始まる話。槇生は、朝の母親=槇生の姉とかなり折合いが悪い様子。槇生も朝も女性。類型的にも思える粗筋だが、この作品の魅力は単純な筋にはない。

タイトルがまず不穏である。「異」国ではなく「違」国。前者より後者のほうが、その「国」が自分とはっきり隔たっている手触りがある。

が、内容は不穏一辺倒ではない。二人とも不器用ながら歩み寄ろ

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