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伽戸ミナ
2024年3月23日 17:11
詩です。バスタブが世界一安全な場所なんですかくれんぼをしたときはすぐに見つかってしまいましたけどムジャキなドキドキを、ポツポツと咲かせながらうずくまっていると、外では、ゆでたまごが降っている音がしたんですそうです 殻は剥いてある、つるつるホワイトなやつです重なりに重なったカサカサな枯れ葉の上にとすん、とすん、と落ちているんです ほとんど一定でいま、同じ場所で頭からシキブトンをかぶ
2024年3月22日 19:13
詩です。足を下ろそうとするとそこにはタンポポがあるから待って、と言われて下ろす場所を変えようとするとそこにはアリさんの行列があるから待って、と言われてまた変えようとするとそこにはオレンジのBB弾があるから待って、と言われてまた変えようとするとそこらへんにコンタクトが落ちてるから待って、と言われて右足は地面と再会することはないままぼくは案山子になったあれはオタマジャクシ
2024年3月15日 18:09
詩です。桜は壊れながら旅をする今年もキレイねぇ、と言っているばあちゃんがとても残酷に見えた月の光は破損箇所から漏れ出ているだんごを食べる暢気さなんて到底持つことができない桜も月も、きっと充電の回数は増えている一方だろう昔より遠くまで行くことができなくなって、昼まで寝ていられることもなくなって、食べられるカルビの枚数も減っていくここでの儀式は、一人を生贄にするものから五歳の身体
2024年3月12日 18:13
詩です。朝、くつひもを結ぶときは、左、右、左、右、の順番で必ず蝶が二匹連続になるようにするの、ときみが言ったぼくは一度試したきりやることはなかったのだけれど、蝶々夫人だね、と言って手を繋ぐようになった けんかはだめ、と言いながらオーバーオールを着た幼子が蝶の交尾をちぎっていた蝶たちは紙きれのように風に飛ばされていった きみが電柱の陰によけてくつひもを結び直すときは左、
2024年3月10日 14:10
詩です。先生から見て二列目の一番後ろに座っているから、五列目の前から二番目の山下さんが膨らんでいくのがはっきり見えたなにがあったのかな? 夏休み明けだからかな?教室には数学の小テストに集中する空気が満たされているから、弾け飛んだワイシャツのボタンがメダカの生きている水槽を叩く音は流された山下さんが蛍光灯に耳をこすらせている頃加藤と桜井と岡本さんの姿が見えなくなったぼくは久しぶ
2024年3月9日 14:53
詩です。ただの詩です一部の保護者の方から批判が出たので、規格に満たない、好きです、は間引くことになりました学年主任のその言葉でわたしの中のポテロングは折れました世界は汚いんだから今だけは美しいものを見せていたい、って将来は居眠り運転で交差点に突っ込んでね、って言っているみたいだそんな人じゃなかったんです、と言うときのハンカチの準備だけはやたらいいベビーカーでじゃがりこを振る音