ベトナム伝統料理『Bánh cuốn』バィンクォン
1.バィンクォン(Bánh cuốn)の特徴
「バィンクォン(Bánh cuốn)」は、薄く伸ばして蒸した米粉の生地の中に、野菜や肉を詰めて、丸める、ベトナムでは、人気の伝統料理です。
「バィンクォン(Bánh cuốn)」は、ベトナムの伝統的な料理で、特に、朝食や軽食として人気があります。
蒸した米粉の皮で、豚肉や木耳などの具材を包んだもので、ディップソースとともに美味しい味わいが楽しめます。
バィンクォンの特徴は、その柔らかく、透明感のあるライスペーパーの皮と、豚肉や木耳、時にはエビを含む香ばしい具材です。この米粉の皮は、特殊な平らな鍋(しばしばターメリックで黄色く染められる)で蒸され、その上に具を乗せて巻かれます。
完成したバィンクォンは、焼き揚げた玉ねぎや、揚げシャロット、そしてディップソース、ほとんどは、ヌクチャム(魚醤ベースのソース)と共に、美味しく食べられます。
お店でのサイドディッシュとしては、ベトナムのハム(Cha lua)や揚げた豆腐、生の野菜やハーブなどが、一緒に、出されることもあります。
2.バィンクォンの歴史
バィンクォン(Bánh cuốn)の料理の起源は、明確ではありませんが、その存在は、数世紀にわたって記録されています。
歴史家のレ・タックが、著した「An Nam chí lược」アンナムチィルォックによれば、旧ベトナム(アンナム)の人々は、ハントク(春分)のテト(節句)に、バィンクォンを互いに贈り合っていたとあります。
この記録には具体的な年代が明記されていませんが、レ・タック自身が9世紀の人物であることから、この習慣が少なくとも、その頃から存在したことが、推測されます。
さらに具体的な年代を示す記録として、1291年の詩「Tặng bánh xuân cho ngài thiên sứ Trương Hiển Khanh」”天使チュオン・ヒエン・カーンに春のケーキを贈る”があります。
この詩で、当時のベトナム国王トラン・ンヤン・トンは、「今日は3月3日、赤い雲の彫りのある盆に、春菜の餅を配る、これは古来からのアンナム(現在のベトナム)の風俗」と述べています。
この「春菜の餅」とは、バィンクォンのことを指していると解釈されます。
また、「Chỉ Nam ngọc âm giải nghĩa」によれば、バインクオンは「bánh xuân thái」(春菜の餅)とも呼ばれ、中に具(野菜や肉が含まれることが多い)を、包み込んで、丸めることから、現代のバインクオンと形状が非常に近いと説明されています。
これらの情報から、ハントクのテト(節句)には、古代のベトナム人が、バィンクォンを食べ、互いに贈り合う習慣が、少なくとも、9世紀から存在し、この習慣は、少なくとも13世紀まで、続いていたことがわかります。
3.バィンクォンの地域性
ベトナム全体でバィンクォンは、広く食べられています。
そのレシピと提供の仕方は、地域によって少し異なることがあります。
北部では、具材は主に豚肉と木耳で、ディップソースは、ヌクマム、魚醤ベースです。
南部では、エビや揚げ豆腐を具材に加えることがよくあり、甘いヌクマム、魚醤ソースで食べることが、多いです。
4.バィンクォンの料理の仕方
① ディップソース「ヌクチャム」の作り方
ベトナム料理によく用いられるディップソース「ヌクチャム」の聴き取りした作り方を、ご紹介します。ヌクチャムは、甘さ、酸味、辛さ、塩味がバランス良く混ざり合った万能ソースで、バインクオンにも、よく使われます。
【ヌクチャムの材料】
ヌクマム(魚醤): 3 タブルスプーン
砂糖: 2 タブルスプーン
ライム汁: 2 タブルスプーン
水: 125 ml
ニンニク: 1-2 カケ(細かく刻む)
赤唐辛子: 1-2 本(輪切りにする、辛さを調節)
【ヌクチャムの作り方】
小さな鍋にヌクマム(魚醤)と砂糖を入れ、砂糖が溶けて、ヌクマム、ナンプラーとよく混ざるまで温めます。
ライム汁と水を加え、よく混ぜます。
細かく刻んだニンニクと赤唐辛子を加えて混ぜます。
冷ましてから、バインクオンに添えて供します。
このディップソースは、辛さを調節するために唐辛子の量を増減させることができます。また、ニンニクが苦手な方は、使用しないことも可能です。
一度、作ってしまえば、冷蔵庫で数日間保存することができます。
バィンクォンだけでなく、他のベトナム料理や揚げ物などにもよく合います。
② バィンクォンの作り方
それでは、ベトナムの伝統的なバィンクォンの作り方を紹介します。蒸し器を使って作る方法です。
1.必要な材料
生地の皮
400gのバィンクォンの粉
1 から1.5リットルの水
4杯の食用油
生地の具
200gの豚肉(細かく刻む)
4個の木耳(乾燥)
10個の乾燥した玉ねぎ
ディップソースその他
黒胡椒、ヌクマム魚醤、味の素、砂糖、ライム、フレッシュチリ(オプション)、米酢
ハーブ類、香菜、ミント
ベトナム風ハム
2.バィンクォンの作り方
① 具材を準備します
豚肉を細かく刻んだ乾燥玉ねぎ、味の素、ヌクマム、魚醤で漬けます。
木耳は水につけて戻した後、よく洗い、茎を取り除き、細かく刻みます。
②粉を混ぜます
バィンクォン用の粉を、パッケージ、袋に記載された指示に従って、混ぜます。 400gの粉, 1から、1.5リットルの水、4杯の食用油。蒸す前に数時間放置しておくと生地が、より簡単に取り出せます。
③蒸していきます
鍋に水を沸騰させ、パンの型を置きます。沸騰させ、蒸気が十分に出るまで蓋を閉じておきます。
蓋を開け、1杯の生地を、型に注ぎ、底の部分で生地を早く均一に広げます。慣れてくると生地は、均一な厚みになります。
蓋をし、1ないし2分で、生地が焼き上がります。蓋を開けて、パンを取り出す棒でパンの端を持ち上げ、具をパンの中に入れ、パンを巻き上げます。
次のパンを作り、できあがったパンを重ねていきます。
④ディップソースを準備します。
ベトナム料理によく用いられるディップソース「ヌクチャム」は、甘さ、酸味、辛さ、塩味がバランス良く混ざり合った万能ソースで、バィンクォンにも、よく使われます。
⑤ パンを盛る
パンを皿に盛り、ベトナム風ハムを斜めに切り、上に乗せます。
焦がし玉ねぎをパンの上に散らし、香菜とハーブで装飾します。
蒸し器を使った、バィンクォンの作り方は、伝統的な方法で、特別な風味を楽しむことができます。
このバィンクォン用の蒸し器セットは、家庭で、バィンクォンを作るのにも、便利です。
5.バィンクォンの食べ方
バィンクォンは、ディップソース「ヌクチャム」に浸して食べます。ハーブや生野菜を添えて一緒に食べることで、フレッシュさと香りが加わります。
6.バィンクォンの人気度
バィンクォンは、ベトナム全土で非常に人気があります。その独特の風味と滑らかなテクスチャ、そして手軽に食べられることから、朝食や軽食、あるいは家族や友人との集まりの料理としてよく選ばれます。ベトナムの食文化を代表する一品とも言えるでしょう。
7.最後に
ベトナム人のみなさまは、硬い食感を好むように感じています。
私は、柔らかい食感の中に、少し香ばしい食感のバィンクォンを初めて、ベトナムのご家庭で、頂いたとき。
この記事を書いていて、昨日のことのように、感じています。
柔らかく、温かいうちに、ご馳走になり、そのご家庭の温かさを、感じました。思い出のベトナムの伝統の家庭料理でもあります。
ベトナムを身近に感じて、いただければと思います。
みなさま、お読みいただいて、本当にありがとうございます。
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