【読書】対談本はお好きですか!?
対談本が好きです。
本といえば、
作者一人が黙々と物語を書いたり、
エッセイを何遍も書いたりして、
読者はそれを拝読する行為で、
読書とは大抵、
作者と読者の一対一の対話。
でも、この世には、
対談本や、共著本、
それから、アンソロジー等が
ありますね。
複数の作者がいる本です。
作者が一人で書いた本の魅力は
誰もが知るところでしょう。
では、対談本や共著本は
何が魅力なのでしょう?
深さはないかもしれない。
でも、二人で会話している、
その場面に自分も居合わせ、
側で聴いているような楽しさがある。
気楽さもある。
一人で書かれた本の読書では、
作者はどんどん深みを追求しますが、
対談本や共著本は、
話題の広さや、
会話のテンポを楽しみ、
互いに共感を求めていく。
気楽に、しかも、
貴重な話が聴けちゃう良さ。
対談本で、
まず皆さんにオススメしたいのは、
『村上春樹、河合先生に会いにいく』
(新潮文庫)です。
村上春樹と、
心理学の泰斗、河合隼雄先生の
日本の未来や物語や心や夢について
語り合った貴重な対談です。
あるいは、
大江健三郎と古井由吉の
『文学の淵を渡る』(新潮文庫)も、
まさに、文学の巨人が
自分の作品や日本文学について
縦横無尽に語り合った対談本。
大江さんが縦横無尽過ぎて、
他の作家への辛口批評が
飛び出すのは玉に瑕ですが、
生の大江さんってこんな感じなのね
となんだか新鮮でした。
そういえば、
穂村弘さんと川上未映子さんの
『たましいのふたりごと』は
才能の塊のような2人が
これまた、あらゆるテーマを
自由自在に語る1冊です。
詩、別れ、初体験、悲しみなどなど。
川上未映子といえば、
彼女が果敢に村上春樹に
インタビューしていく
『みみずくは黄昏に飛び立つ』
(新潮文庫)という
対談本もありましたね。
この本では、村上春樹が
ちょっと受け手に徹し過ぎて、
全体的にテンションが上がらず、
ちょっと勿体なかったですが。
河合隼雄先生の対談本では
小川洋子さんとの対談
『生きるとは、自分の物語を作る
こと』(新潮文庫)も忘れられません。
小川さんの創作の源泉が
こんなに語られていいの?
と心配になるくらい
さらけ出されています。
宮本輝と吉本ばななの
対談本『人生の道しるべ』
(集英社文庫)も
最近読んで印象的だった1冊です。
吉本ばななといえば、
河合隼雄先生と吉本ばななの
『なるほどの対話』(新潮文庫)も
ザックバランなテンポが良くて
とても楽しかったです。
総じて、作家の会話なんて、
普段は聞く機会もないですが、
対談本では、作家の会話が
読めるという幸せにありつける。
まだまだ対談本や鼎談本は
世にはたくさんありますね。
さあ、今度は誰と誰のどんな
対談本を読もうかしら?