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國實瑞惠さん — 映画『あんのこと』大ヒットロングランの秘訣は“瞑想”

映画プロデューサーの國實瑞惠(くにざね・みずえ)さん。今年公開された映画『あんのこと』(企画プロデュース)が空前の大ヒット・ロングランを記録、国内外で大きな注目と賞賛を集めています。超越瞑想(TM)を実践している國實さんに、ご自身が感じる瞑想の効果についてお話をうかがいました。

「あなた、瞑想した方がいいわよ」

超越瞑想(TM)をはじめたのは、2015年ごろだったと思います。2017年には上位テクニックの「TMシディプログラム」も受講しました。きっかけは、算命学の中森じゅあん先生の言葉です。親しくしている中森先生から、あるとき「あなた、瞑想した方がいいわよ」と言われたんです。そのときは瞑想(TM)がどういうものかも知らなかったので、「そうなんですか?!」と。そして朝夕20分ずつおこなうものだと聞いて、「私にはする時間がないと思う」と言ったのですが、「それが、できるのよ!」とおっしゃるんですね。(笑)それで、「そうですか、じゃあ行きます」と言って受講しました。中森先生とは数十年来のおつきあいですが、そのときTMをすすめてくださった理由はよくわかりません。先生の直感だったんでしょうか。でも、実際にTMをはじめたらハマってしまいました。(笑)

TMをはじめてからはたくさんの変化がありました。2022年公開の『PLAN 75』(早川千絵監督)くらいからすごく仕事が忙しくなりました。2024年に関わった作品は『あんのこと』(入江悠監督)の他に、『HAPPYEND』(空音央監督)『ナミビアの砂漠』(山中遥子監督)『小学校〜それは小さな社会』(山崎エマ監督)があります。いま、とても順調に仕事をさせていただいていますが、どんなに忙しくても瞑想のおかげでとても元気です。TMをしていなかったら自分の人生はどういうものだったのか、考えられないですね。

いまの活躍はベストなタイミング

TMをして心が安定したり、より健康になったり、順調に仕事をしていると、「もっと前から始めていたらもっと若いときに活躍できていたのかな」と思うこともあります。冗談で「この歳になって活躍させられてもね」なんてスタッフに言ってみたり(笑)でもきっとこれが私にとってベストなタイミングだったんですね。

精神的にすごく助かっているのは、「あまり気に病むということがなくなった」ということです。人間関係で成り立っている仕事なので、いろいろなことが起こるのですが、良いことも悪いこともあまり気にならなくなりました。「喜怒哀楽があまりなくなったのかしら?」と思うくらい(笑)もちろん喜びはありますけど。何かあったときにあきらめがつくようになったこと、前へ前へ行ける、というのは瞑想の大きな効果だと思います。あと、人の顔を見て直感が働くようになりました。

事務所にはTMをしているスタッフがいます。以前、TMの本の注文を頼んだところ、「國實さん、瞑想してるんですか?私も興味があるんです」って言われて、「やろうよ!」と誘いました。なので事務所や近くのカフェでよく一緒に瞑想しています。二人で瞑想すると一人のときと全然ちがって、一人の時以上に効果が感じられます。なので身近にTMしているスタッフがいるということにとても救われています。

マラケシュ映画祭にて『HAPPYEND』主演の栗原颯人さん、日高由起刀さんと

予想外の大ヒットロングラン

毎年、仕事でカンヌ映画祭に行っています。近くには和食のレストランがないので、あるときおむすびを作ってフィルムマーケットで振る舞ったところとてもよろこばれました。それからは毎年おむすびを振る舞っています。カンヌでは私のおむすびは有名なんですよ(笑)みんなが楽しみにしてくれて、わざわざお米を持ってきてくれたりするので、「じゃあ作らなきゃ」って。炊飯器は現地の知人に預かってもらっています。

引用元:cannes-movieplus.jp(2018.5.11)

インディペンデントの映画は、海外の映画祭に出ないと興行がむずかしいところがあるのですが、『あんのこと』は当初海外の映画祭には出られなかったんです。ところが公開が始まると予想外の大ヒットとなり、ロングラン上映される作品になりました。また、先日フランスのキノタヨ映画祭で最高賞(ソレイユ・ドール)、ヴェトナムのダナン・アジアン映画祭で作品賞を受賞しました。がんばって良い作品を作ればこういうケースもあり得るんだということを実感した出来事でした。それは、これからの若い監督たちのためにも良かったと思っています。TMは特に若い人たちに勧めたいですね。興味を持っている人がいたら、「はじめたら気持ちが楽になるよ」と言ってあげたい。瞑想する人が増えたら日本は変わるんじゃないでしょうか。

國實瑞惠(くにざね・みずえ)
映画プロデューサー。1976年、俳優監督のマネージメントを行う鈍牛倶楽部を設立後、多くの今村昌平監督作品に参加。映画プロデュース作品に、『あつもの』(99)、『KOROSHI殺し』(00、第53回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品)、『奇妙なサーカス』(05)、『転々』(07)、『たみおのしあわせ』(08)、『サイタマノラッパー2~女子ラッパー☆傷だらけのライム~』(10)、『恋の罪』(11、第64回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品)、『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)、『希望の国』(12)、『PLAN75』(22、第75回カンヌ国際映画祭 カメラドールスペシャルメンション受賞)、『逃げきれた夢』(23年、第76回カンヌ国際映画祭ACID部門正式出品)。そのほか、テレビ朝日「時効警察」の企画に参加。