復職から1か月(前編)
2021年4月26日(月)。
私は213日ぶりに元いた会社に出勤した。
大安であった。
当時の日記には、
「半年ぶりの通勤中。体調は良好。天気も良く晴れている。
不安は大きい。でも何とか今は前を向けているので、ボチボチやっていこうと思えている。」
とある。
この時は、新しい部署になるということで心機一転の気持ちと、
旧知の方々が休職中に辞めたことによる不安が心を占めていた。
復職なんて人生にそうそうあることではないから、
どんな心持ちで臨めばいいかわからない。そんな朝だった。
人事部や新しい上司との面談が続き、仕事というよりも観察されている感じで、この日は終わった。
「こいつ本当に働けるのか?」という厳しいものではなく、
「どうやってこの人をチームになじませられるか」というやさしい姿勢だったと感じる。
この夜、新しい上司の誘いで夕飯をごちそうしてもらった。
その上司は寡黙で人当たりはあまりいい方ではない、と思う。
でも、思いやりが合って懐の深い方だった。言葉を丁寧に選んで、相手からも同質の本音を聞き出そうとしてくる人。
初対面に近かったが、気が付けば私の方からいろいろと質問していた。
そして一日が終わったころには、布団に倒れこんでふにゃふにゃにとろけるんではないかというくらい疲れていた。
精神的にも気を使い、体力的にも通勤は堪えた。
それでも、一日生き延びた、と割と満足していた。
嬉しかったのは、家に帰ると私の彼女がサプライズで甘い菓子パンと書置きを残してくれていたこと。「復職おめでとう!」と書かれたその書置きは、永久に保存するつもりだ。
あれから一か月。
色んなことがあった。
部署は変わるが業務は変わらないこと、復調したらまた厳しいノルマに追われることが判明してから、朝の不調と吐き気が再発するのに時間はかからなかった。
転職活動も再開した。これという求人がないことに絶望もした。
異動も打診した。人事部は当初難色を示していた。
初めて退職願をしたためた。それは今もすぐ出せるところにしまっている。
本当に、自分は何のために生き、何のために回復して復職したんだろう、
と鬱々としていた。
そんな中、大型連休が明けたころ、例の上司に呼び出され、
「君は辞めた方がいいよ。」
と言われた。
詳しくはこれらの記事に記してある。
この出来事がきっかけで、なにか憑き物が落ちたように吹っ切れることができた。会社への未練もなくなったし、なんならまたレールなんてくそだから外れちまえ!とも思えた。
先の2記事にはその時の本音が赤裸々につづられている。
このころから、noteも始めた。好きに生きるという決意を、ささやかに実行に移した。
毎日のように転職エージェントと話して、自分を客観的に観てもらった。
両親や祖父母、彼女や友人、信頼できる先輩、あらゆる人に連絡を取った。
すこしでもヒントが欲しかった。
自分なりに、もがいていた。
後編に続く