【私の仕事】大卒の新入社員の約35%が三年以内に離職している【人事労務関連業務】
『 2021年に新卒で入社し、3年以内に辞めた人の割合は34.9%だった。』
というニュースを読みました。
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新入社員の離職割合については、昔から
中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が、入社三年目で退職する
という7・5・3問題がありましたので、私のような古い人間にとっては、それほど驚くような内容ではありません。
今回は、この7・5・3問題が発生する原因と、発生した場合のマイナス面についてまとめたいと思います。
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「新入社員側視点」
原因① 入社する会社を深く調べなくとも(強い入社意識がなくとも)入社出来るため、本当に自分が勤務したい会社でない所に入ってしまっている。
原因② SNSの発達などで、他の会社の状況がある程度分かるため、チャレンジという名目で他の会社へ転職する。(=隣の芝は青く見える状態)
デメリット 能力を身に着けたとしても、早期退職を行う(繰り返す)ことは継続経験の蓄積を阻む。
「会社側視点」
原因① 売り手市場であり、人手不足状態なので「学生側に、会社の業務や風土などの実態を伝えていない」ため、早期退職者が発生する。
原因② ある程度戦力になった新入社員に対して、それに見合う給与ややりがいを提供することが出来ず会社への帰属意識が低い場合には、自身で他の就職先を探したり引き抜きをされたりする。
デメリット 原因①②より、新入社員が早い時期で退職してしまうと「新入社員の採用と教育に費やした時間・費用・労力というコストが回収出来ない」。
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上記のように問題点等について書きましたが、7・5・3問題について、私の正直な意見を言いますと、ある程度は仕方がないのではないかという意見です。
昔からある問題ですし、上記の原因を考えると、将来的に劇的に改善するという未来は全く想像出来ません。
それを前提にして、「新入社員側」「会社側」へのアドバイスを以下に書きます。
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新入社員へのアドバイスとしては、
今ではもう「古い考え」「論理的でない考え」と言われてしまうのですが、まずは数年は勤務することが重要です。
初めはつまらない・自分と思っているのと違うという業務内容かもしれませんが、少しずつ業務内容が変化したり、もしくは経験を積むことで同じ業務でも自分自身の意識が変化したりすることがあります。
もちろん、体調を崩してしまったといった場合は除いてですが、ただ単に「何かちょっとイメージと違う/つまらない」と感じたからと言って、すぐさま辞めるということは控えることが自分のためになることは間違いないと言えます。
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そして、会社側(ベテラン社員)へのアドバイスとしては、
相手とは本音で話す。
ことが必要で良いと思います。
上記のように会社側としては人手不足の現在、どうしても少し気を使って話したり接していることが多いです。
ですが、新入社員側が辞めたいという意思表示をしてきたのであれば、それ以上従業員側に過度な配慮をすることはありませんので、本音で新入社員の資質や能力について・会社側の本音の意見、などについて話し合うことが良いです。
意外に、本音で話し合うと良い方向に進むことも多いですよ!
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最後に、新入社員・会社のどちらにも当てはまることなのですが、早期退職という事象を当たり前としてその後を考えた場合、喧嘩別れをしないことが重要です。
私の顧問先でも実際にあったことですが、20代で退職したが、30代で(親の介護などもあり)戻ってきた社員もいます。
そこから将来にかけて従業員も会社も気持ち良く過ごすためには、前回の別れ方というのが大きな意味を持つことが多いです。
従業員も会社も、様々な可能性を持たせる行動が重要です。
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