【令和6年】アルバイトの労働条件を確かめるキャンペーン【厚生労働省】
新年度が始まり、大学生のアルバイトを新規で雇用する会社さん、そして新しくアルバイトを始めた学生さん、については、ともに増加しているのではないでしょうか。
厚生労働省は、この時期に合わせ『令和6年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン』を全国で実施しています。
ということで、これに合わせ「会社側・アルバイト側の両面」から、今回のキャンペーンの内容などについて書いていきたいと思います。
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1.会社目線
以前、記事にしましたように、
アルバイトの採用と運用については、会社側として、正社員と同様の心構えで・関わり方をする必要があると書きました。
今回の「労働条件を確認しよう」も、これの一部分と考えて頂けると理解し易いと思います。
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事業主向け・アルバイトの労働条件を確認しようPDFでは、以下の五項目が記載されています。
① アルバイトを雇用する際に、書面で労働条件を示していますか?
② 勤務シフトは適切に(学業と両立出来るように)設定されていますか?
③ 労働時間を適正に把握していますか?
④ 商品を強制的に購入させたりしていませんか?
⑤ 遅刻や欠勤に対して、損害賠償額などをあらかじめ定めたりしていませんか?
上記を見ると、ほとんどの事業主が「正社員に向けて」であれば、行わないようなことです。
しかしそれが「アルバイトに向けて」であるときに、つい行ってしまうことが問題になると考えて欲しいです。
また、学生アルバイトの際には、アルバイト本人だけでなく、その保護者への説明責任を果たすということを考えると、特に①の労働条件通知書をきちんと整えることが重要です。
そうすれば、雇用後のもめ事に発展するリスクはかなり低減します。
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2.アルバイト目線
また、本キャンペーンでは、学生アルバイト自身が知っておきたい「7つ」のポイントというPDFも掲載されています。
① 始める前に労働条件を確認しましょう!
② バイト代は、毎月・決められた日に・全額支払いが原則!
③ 条件に合えば、残業手当は発生します!
④ 条件に合えば、有給休暇が発生します!
⑤ 仕事中のケガなら、労災保険を利用出来ます!
⑥ 会社都合の自由な解雇はされません!
⑦ 困ったときは、総合労働相談コーナーへ!
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上記の①~⑦については、アルバイト各人が気をつけて欲しい基本のことです。
ですので、私は、上記以外の注意点として、アルバイトの方に以下の二つを是非伝えたいです。
1⃣ 労働条件通知書が無いからといって、ブラック企業ではない。
大手チェーン店はともかく、地方の中小企業では、まだまだ労働条件通知書を作成していない会社もあります。
当然それは良くないことですが、それだけでその企業を色眼鏡で見ることは避けて欲しいです。
現在のような「従業員のことを考えた会社運営をしましょう」という世の中になったのは、十数年前くらいから始まり、人手不足が深刻になっている最近にさらに加速しました。
多くの企業は、現代の人事労務に合わせた企業運営をしていますが、昔ながらの中小企業ではそういった変化に対応出来ないところも、残念ですが、あります。
ですが、昔ながらの中小企業にも良い所は多くあります。
一つのマイナスだけに注目するのではなく、職場全体を考えることで、良い働き先が見つかることも多いです。
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2⃣ 問題があると考えた場合には、まず会社の人と話すこと。
最近多いのが、「ちょっとした問題(注文した商品が違っていたなど)をXに投稿する」という行動です。
もちろん、Xに投稿することでインプレッション数を稼ぐことが出来ますし、承認欲求を満たすことも出来ます。
しかし、そのことによって、かえって企業側と溝が出来てしまい、望むような解決に繋がらないことは多々あります。
会社内のもめ事が、内部事情を知らない外部の一般の方々に知られることは、当事者の誰にとってもプラスに繋がることはありません。
まずは、冷静に、企業側に自身の意思表示をして、コミュニケーションを取りましょう。
きっと良い方向に進むことが出来ます。
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