【初回のみ有料】磐城まんぢう書き下ろし小説『ののうの野』を不定期掲載しています。
時は戦国、かつて信州祢津地域に実在した”ののう巫女”集団にスポットを当て、戦乱に巻き込まれていく…
¥1,000
- 運営しているクリエイター
#武田勝頼
第13話 相模の方(かた)様
巫女の一日は未明の水垢離から始まる。それは旅歩きをしている時も同じで、水で身体を清めたあと、巫女たちは組頭巫女の対面に正座し、祭文を復唱してから口授で教えを受ける。そしてようやく朝餉を食し、食事が済むと神事舞太夫はその日の口寄せ回りの予定を伝える。依頼がなく時間が空く時などは、こちらの方から飛び込みで家々を訪問し、今で言う訪問販売的な事をして仕事を取ることもままある。
翌朝、巫女らを集めた丸山