「時間があればデザインを改善したいけど、納期に間に合わない。。。」 こんな悩みに直面したことはありますか? 時間やキャパの制約がある中で、いかにデザインの質を上げ続けるかは、どの企業も悩む方程式のないテーマです。美しさや使い勝手の大事さは誰もが理解しつつも、忙しい中それを実現するのが難しいからです。 一方、世界で最も成功している企業の中には、研ぎ澄まされたデザインが顧客の心を捉え、高いブランド価値を築いている企業がいるのも事実です。LVMHは事業そのものがデザインですし
6月に日本でも提供開始されたリサーチ・ライティングアシスタントの「NotebookLM(ノートブック・エルエム)」は、ご存じの方も多いと思います。ざっくり言うと、手元の本や資料を読み込んで、独自の「ボット」を作ってくれるツールです。 実はこのツール、9月以降さらに異次元な成長を遂げていることをご存じでしょうか? その要因は、9月に提供開始された、「Audio Overview」という機能です。これは、NotebookLMに何か資料を読み込ませると、2人のAIポッドキャスタ
日々仕事に追われる中で、こんな風に感じたことはありますか? なぜこんなに忙しいのか? 私はこの仕事のセンスがあるのだろうか? なぜ仕事でこんなにイライラするのか? 私は本当に人の話を聞いているか? 私もPM時代、あくせく働きながらこんな問いを持ちつつ、次々と降ってくる仕事を前に答えを出せぬまま月日が過ぎていきました。 以前「プロジェクトの失敗を防ぐ魔法の会議」でご紹介したPMアドバイザーのシュレイヤス・ドーシも、そうだったと言います。Google、Twitter、
皆さんの会社では、提供する製品やサービスの値段をどうやって決めていますか? 一般的には、自社視点・競合視点・顧客視点の3つを勘案しますが、最も重要な「顧客視点」は意外と忘れられがちです。 支払意欲の確認は、新規プロダクトの場合は特に重要ですが、実際は「売る直前になって考える」企業の方が多いと、プライシング専門会社のサイモン・クチャーは言います。同社の分析によると、新しいプロダクトの72%は売上未達に終わり、その原因は技術ではなくマーケティング、セグメンテーション、価格の問
「自社に欠けている成長の秘訣は、機能の追加ではなく、実は『機能を減らすこと』かもしれない。」こんな風に考えたことはありますか? 一般的に、企業は新しいプロダクトや機能のリリースに注力します。昇進したいPMは何をリリースしたかをアピールし、営業はそれを材料にしばらく連絡を取っていない潜在顧客に声をかけ、開発部隊を評価する際には、最近何を開発したかを見ます。 しかし、機能が増えると、顧客体験がより複雑になり、顧客のタスク完了率低下→顧客離反→売上低下という負のスパイラルに陥り
プロダクト作りは、外から見ると華やかでも、地味な課題に向き合う日々が意外と多い仕事です。 今日こそ次の成長戦略を書かねば、と思いつつ、週次の数字の説明や、バグの火消しに追われる。 やっと戦略を考える時間が確保できたと思いきや、その情報源となるデータや顧客の声が入手可能な状態になっていない。これはつまり。。。自分で整備しろっていうこと?という状況はPMあるあるかと思います。 創業期はもちろん全部自分でやるしかありません。しかし、プロダクトラインが増え、数々のプロダクトチー
2022年11月のChatGPT誕生以来、メインストリーム化したAI。その後、どの企業もAIを活用した新たなプロダクトの開発に取り組んでいますが、全体を見渡すと、支出に見合う成果が出ている企業はまだ多くないのが現状です。 米調査企業のガートナーの調査では、「AI採用の障壁は何か」という問いに対し、最も多い答えが「AIのもたらす価値を証明すること」でした。AIの実用性を見出し、その価値を証明するのは容易ではない中、同社は「現在進行中の生成AIプロジェクトの30%以上が概念実証
エンジニア不足が叫ばれるなか、開発生産性が注目を集めています。 開発生産性ほど、チームの成果と士気に影響を与えるものはありません。コードは準備できているのに、指定日まで展開できない。やっと展開できたと思ったら、すぐに他のコードでバグが発生して、全部元に戻さなくてはならない。他チームの改修が遅延続きで、いつまで経ってもリリースできない。こんな状況が続いて改善が見込めなかったら、多くの人が「もうこの会社辞めようかな」と思うでしょう。 「LeanとDevOpsの科学」著者のニコ
「30年以上のベンチャー投資家としての経験の中で、フランクのオペレーションノウハウに匹敵する人を見たことがありません。フランクにとって、すべては徹底的かつ集中的な実行に終始します。『不快な状況に慣れろ』、『希望は戦略ではない』、『ブランドを作る最良の方法は、より多くの顧客を獲得すること』といった格言は、フランクが私たちに教えてくれた生き方の一部です。彼が、他のCEOたちの旅路を支援する中で、私たち多くを優れた取締役にしてくれたことは間違いありません。」 — ダグ・レオーン、
「全社で目指すのは、一定時間内でできる実験の数の最大化です。各企画が上手く行くか分からないため、それらを実験する方法があれば、より多くの賭けができます。すなわち、本当に大事なのは、実験コストの削減です。 私達にはWeblabというグループがあり、ウェブサイトのUIで常に実験を行い、どのUIが最も効果的か、実際の使用パターンから統計データを得ています。これは私たちにとって巨大な実験室であり、これら実験コストを非常に低く抑える方法を実現するために注力してきました。そうすることで
世の中には、面接の受け方、専門性の身につけ方、チームのマネジメント手法など、場面に応じた実践的な情報は山ほどあります。一方、社会的インパクトを出しながら充実感を得られるキャリアの歩み方については、意外とあまり情報がありません。 また、個々人から得られるアドバイスの多くは彼らの経験に基づくため、必ずしもアドバイスを受ける側の境遇と合致しないことも多々あります。 そこで、今日は、起業、スタートアップ、ビッグテックなど様々な企業のステージを経験し、シリコンバレーで何百人ものリー
先週末、米国では「労働者の日」を含む3連休でしたが、土曜深夜に投稿されたある記事が波紋を呼びました。Yコンビネーター共同創業者ポール・グレアムが書いた、「創業者モード」という記事です。 これまでは、「事業の拡大につれ、創業者は『マネージャーモード』(=良い人を雇い、彼らに裁量権を与えるスタイル)に移行しなくてはならない」というのが定説でした。実は、この定説は大間違いだったのではないか、というのがこの記事の主張です。 その後、シリコンバレー中の経営者がこの記事に対する意見を
組織のリーダーにとって、ビジョン作りは最も大事な仕事の一つです。 ビジョンとは、3~10年後に目指す目的地のこと。私もPMとして実行力が上がるにつれ、「次は大きなビジョンを示してリードするのが課題だね」という指導を上司から受けていました。 その後、全社で目指す動画広告体験のビジョン作りを担当し、一定の成果を上げましたが、良いビジョンの作り方について具体的に書かれた文献の少なさに困惑したのを覚えています。また、様々な企業の採用やIRページを見ると、ミッション(=存在意義)は
PMが1冊だけソフトウェア開発の本を読むならこれだ、と言われる本がある。なんと半世紀前、1975年に初版が刊行された、「人月の神話」という本だ。著者のフレデリック・ブルックスは、「IBMのSystem/360の父」として知られ、同社の超大型開発チームを率いた後、ノースキャロライナ大学でコンピューターサイエンス学科を立ち上げた人物。「人月の神話」で彼は、IBM在籍時に遭遇した問題点を分析し、ソフトウェア開発にまつわる難しさについて持論を展開している。レビューを見ると分かる通り、
いくつもプロジェクトを経験してみると、うまく行かないケースはあるものだ。キャパ不足や、チーム間の連携、想定外のトラブル、スコープの見直しなど、色んなパターンがあり得る。そんな時、問題がなぜ起きたか、今後はどうそれを防ぐべきか、メンバー間で振り返りに時間を割き、文章化しておくことが重要だ。読者の皆様もおそらく定期的にこれを行い、学びを蓄積されておられると想像する。 しかし、失敗は誰もしたくないし、その間の機会損失を考慮すると、高い代価だ。失敗を予見して、未然に防ぐ方法はないも
最近お話させて頂いたエンジニアの方から、「会社が大手企業向けソリューションに注力する中、これまでのプロダクトカンパニーらしさが薄れている」というお悩み相談を頂いた。私自身も、B2B SaaSプロダクトを担当しながら、顧客がきめ細かなカスタマイズ性を期待する大企業か、なるべく省エネで成果を期待する中小企業かで、PMや営業の役割がこんなに違うんだと驚いたものだ。何があるべき姿なのか、当時は多忙すぎて十分に考えられていなかったが、調べてみると、あるべき姿は業界のトレンドと共に進化し