石村研二 / narrative lab.
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「そんなわけないだろ!」から読み始めた『世界は五反田から始まった』は、城南空襲など知らない地域の歴史を庶民の視線で語る良書だった。
タイトルに惹かれて手に取った『世界は五反田から始まった』(星野博美著、ゲンロン社、2022年)、「そんなわけ無いだろ!」と思わせようという目論見にまんまと乗せられて読み始めました。その内容は予想とはかなり違ったものの興味深いものでした。 本の内容は簡単に言うと、著者の星野さんが、祖父がなくなる直前に残した手記を出発点に大正時代から現在までの「大五反田」について書いたもの。「大五反田」というのは星野さんが生み出した言葉で、五反田駅を中心とした2キロ圏内を意味し、星野さん自身が
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決して引き下がらない女たちはプーチンを倒せるか、いや倒してほしい。(マリヤ・アリョーヒナ著『プッシー・ライオットの革命』)
ロシアで2011年に結成され、反プーチンの活動を続ける女性パンクバンド「プッシー・ライオット」。その主要メンバーの一人マリヤ・アリョーヒナ(マーシャ)による「獄中記」がこの本『プッシー・ライオットの革命 自由のための闘い』(2018年、DU BOOKS)だ。 プッシー・ライオットは2012年、大聖堂で反プーチンソング『パンク・プレイヤー』を演奏するパフォーマンスを行ったことで、指名手配され、マーシャを含む3人のメンバーが逮捕。マーシャは裁判で2年の刑期を言い渡されて投獄され
【7月25日までオンライン上映】東ティモールの4本のドキュメンタリーを映画祭で見たら、未来は世界の人達の助け合いの中にしかないと思った。
東ティモールは知ってますか? 聞いたことはあるし、だいたいの場所くらいはわかる人が多いかもしれません。私が知っていたのは、それに加えて比較的最近独立したことと、コーヒーが名産なことくらい。これはほとんど知らないと言っていいでしょう。 そんな東ティモールについて知ることができるオンライン映画祭、しかも無料!が現在開催中ということで、ぜひ皆さんにも見てほしい映画を紹介します。 映画祭では、6本の東ティモール映画が無料で見られるので、ちょっとでも気になった方はぜひ見てください
わたしたちは「縄文のイメージ」に惹かれている。そのイメージの成立と意味を考えれば、いま縄文が重要なことがわかる。ー『縄文ルネサンス』(古谷嘉章著)
「縄文ブーム」と呼ばれることもある昨今の縄文時代への着目。私もその流れに乗っているわけですが、なぜ現代の日本人の少なくない人たちが縄文の惹かれるのか。それは私もたまに考えたりすることではあります。 この本の著者である古谷嘉章さんは文化人類学者で、その視点からこの現象を眺め、これを「縄文ルネサンス」と名付けます。 この本自体がその意味について書いたわけで、詳しくは本を読んでもらいたいですが、簡単に言えば中世ヨーロッパで起きたルネサンスと同じように、昔の文化に着目することで新