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UPLINK60本全部見る

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UPLINK Cloudの60本3ヶ月見放題の作品を全部見て、その感想をまとめるためのノートです。みなさんの自宅待機の暇つぶしに少しでも貢献できたらいいなと思っています。
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映画『心と体と』は、感触が伝わってくるような映像の美しさが気持ちいい。サンリス6作品見放題パックを見よう!

新型コロナウイルス感染拡大によるステイホーム期間に始まったUplink CLOUDの60本見放題パック。3ヶ月で60本という過酷なもので、私も結局見きれなかったんですが、みなさんぜひ挑戦してください。 そのUplink CLOUDで、次に展開されたのが配給会社応援パック。独立系の映画配給会社を支援するために、初配信を多く含む作品をパックにして安価で見られるようにしたものです。 その中で、私が注目したのはサンリス。6作品で700円と爆安なのも理由ですが、その6本のラインナッ

芸術はなぜ大切か、ジョン・カリーとヨーゼフ・ボイスのドキュメンタリー映画から考える

今回のコロナ禍の前からですが、芸術あるいはアートの大切さについて考えています。アートは苦難のときに人や社会がすがるものであったり、新しいものを生み出すきっかけになるものです。 UPLINK60以上見放題でも、アート系の作品が結構あり、その一つ一つでそんな事を考えてきましたが、残り少なくなったところで観た2本でも改めてそんな事を考えました。50本目と51本目です。 面白かったのは『氷上の王、ジョン・カリー』。1976年インスブルック冬季五輪の男子フィギュアの金メダリストの生

頭脳で戦うサスペンスは面白いと『エレファント・ソング』を観て改めて思った

もうほとんどの人が忘れていると思いますが、UPLINKの60以上見放題、レンタル期間の終わりに一気に見たものが溜まっています。ちょっとずつ感想を書き留めているので、今日はその中から1本。数えると48本目になりますか。 その作品は『エレファント・ソング』。まだ取り上げていないグザビエ・ドランが監督ではなく出演している作品ですが、これがかなり面白いサスペンスでした。 舞台は精神病院で、入院患者と院長が行方がわからなくなった医師を巡って駆け引きをするというほぼ会話だけのサスペン

芸術が人生にも社会にも大切なことがわかる2本のドキュメンタリーを見た

UPLINK見放題はまだ続いているようなので、色々ありますが、ぜひみてください。今回は46本目と47本目の2本です。 音楽とフラメンコとジャンルは違いますが、芸術に深く関わる人生を送ってきた方々のドキュメンタリー。どちらもまずそのパフォーマンスが素晴らしく、それに尽きると言ってもいいですが、学びもあるはずです。 1本目は『シーモアさんと、大人のための人生入門』 2本目は『ラ・チャナ』です。 コロナ禍で芸術は不要不急だという話になっていたりしますが、絶対にそんなことはな

”食の安全”を探求するジャン=ポール・ジョー監督3作品から見えてくる繰り返すことの大切さ

UPLINK60本見放題全部見ると言っていたのですが、6月に入って #BlackLivesMatter について考えざるを得ず、UPLINKの方は中断という形になってしまいました。#BlackLivesMatter の方もまだ道半ばで、探求しなければいけないのですが、UPLINK見放題の期限が切れてしまうので、とりあえず今は見まくっています。 #BlackLivesMatter についてはこちらをご参照ください。映画の本数は今後増える予定です。 さて、UPLINKの方は、

『ホドロフスキーのDUNE』を観て感じた歴史の綾

アレハンドロ・ホドロフスキーの最近の2作品『リアリティのダンス』と『エンドレス・ポエトリー』は面白かったのですが、ドキュメンタリーの方はちょっと二の足を踏んでいて観てませんでした。 映画史上最も有名な未完の作品と言われる『DUNE』についてということでなんだか映画マニア向けなのかなという気がしていたからです。 しかし、実際観てみると、どんなに素晴らしい映画になるはずだったかということが熱く語られているのは当然にしても、中止になったことがそれほど否定的に捉えられておらず、む

ロウ・イエは『ブラインド・マッサージ』で視覚障害者を通しても愛を語る

UPLINK Cloud 60本以上全部見る企画の冠水のために頑張らなければならないわけですが、42本目はロウ・イエの最後5本目。 これまた素晴らしい作品でした。 視覚障害者が働くマッサージ院が舞台で、そこで恋愛やら何やらの人間関係が展開されて、今までの作品と比べると暗さや重さはないんですが、観終わって考察してみると、そこにはやはり深い考えがありました。 群像劇であることで、より複層的にものを見ることができる。そんな映画です。 やはりロウ・イエは面白いけれど一筋縄では

いまだから原発のことを考え直したいと3本の映画を見ながら思う。

6月に入り、緊急事態宣言も解除され、映画館も再開しましたが、なるべく「3密」を避けたほうがいいことには変わらないし、UPLINKの見放題を今月中に全部見なければいけないので引きこもりが続きそうです。 そんな中、こちらの更新が遅れていましたが、週末を挟んで原発関連の作品を3本観ました。どの作品も二度目ということで、久しぶりに見ての感想です。 今は新型コロナウイルスという別の災害に対処している最中なので、原発になかなか考えが及ばないかと思いますが、そうやって人は忘れていってし

9年越しに『100,000年後の安全』を見たら少し楽観的になっていた

UPLINK見放題37本目は放射性廃棄物の最終処分場についての映画『100,000年後の安全』です。 2011年に3.11の直後に見て、geenzに記事を書きました。その時の記事はこちら。 自分で言うのも変ですが、これはこれで言ってることはわかります。放射性廃棄物の問題は私たちが考えなければいけない問題として今もここにあることは事実です。 ただ、9年ぶりに見て思ったのは、「この映画、同じことしか言ってなくね?」ということで、その同じこととは「未来はどうなるかわからない」

ロウ・イエ見るならまずはこれ。『二重生活』のミステリーに隠された中国の社会問題と愛の本質

UPLINK見放題こなすのに精一杯な上に、今度は「Help!the映画配給会社プロジェクト」にも手を伸ばしてしまったので、ただ映画を見るだけで時間がどんどんなくなっていきます。 勝手にランキングもしたいんですが、もう少し時間が必要そうです。 さて、そんな中、5本あるロウ・イエ監督作品の4本目を観ました。これまでの3本はかなり重かったんですが、今回の『二重生活』はストーリーが思いっきりミステリーに振られているので、映画に入り込みやすくて見やすかったです。 「ロウ・イエ面白

ウィズ・コロナ時代に必見の『ラッカは静かに虐殺されている』の次に観てほしい映画

greenz.jp5本目のUPLINK見放題記事です。 『ラッカは静かに虐殺されている』は本当におすすめなので、ぜひ観て、記事も読んでください。 ここでは、見たよ!という人のために、ぜひ観てほしい関連作品を2本上げておきます。 1本目は『すべての政府は嘘をつく』 こちらは、独立メディアについての作品で、かつアメリカが舞台なので、中東という精神的な距離が遠い国が舞台の『ラッカは静かに虐殺されている』より、問題を私たちの暮らしにひきつけて考えることができます。 そして、

ピンク映画の歴史を描いた『ピンクリボン』で日本映画をより深く知る。

UPLINK見放題34本目です。 「ピンク映画」と「ポルノ映画」の違いも意識したことなかったんですが、この映画を見て違いがわかりました。そして、日活ロマンポルノが日本映画史において重要なことは知っていたんですが、ポルノ映画もまた独自の発展を遂げることで、日本映画を守っていたんだなと思いました。 映画好きなら若松孝二や高橋伴明くらいは知っているかと思いますが、彼らの実験的な手法を培ったのがピンク映画だということは特筆に値します。 映画の冒頭に黒沢清監督が登場します。知って

映画とアートは地続きだと『デヴィッド・リンチ アートライフ』を観て思う。

映画監督デヴィッド・リンチは映画以外に絵画や彫刻作品も発表しているそうで、その「アートライフ」の源泉を探ったドキュメンタリー映画。 基本的にデヴィッド・リンチのインタビューのみで構成されていて、現在の制作風景と、過去の映像や写真がそこに被せられていきます。 デヴィッド・リンチを知っている人、ちょっとは好きという人なら、その世界観がどのように構築されていったかを知ることができて興味深く見ることができます。 映画というと今はエンターテインメントという印象が強いですが、アート

リアルに引きこもりを描くと社会の問題が見えてくる『今、僕は』

UPLINKの見放題、作品が追加されて77エピソードになっているんですが、今回は追加されたものの中から一本。新作『ふたつのシルエット』の公開を待つ竹馬靖具監督の2009年のデビュー作です。 引きこもりの青年を描いていて、その心情にわかり味しかないんですが、そこから引きこもりを生み出しているのは社会であると考えるに至りました。 映画自体は社会問題を扱った映画ではなく、一人の青年の心の動きを描いているだけなんですが、そこに入り込んでいくと社会が見えてくるのです。 竹馬靖具監