【7月25日までオンライン上映】東ティモールの4本のドキュメンタリーを映画祭で見たら、未来は世界の人達の助け合いの中にしかないと思った。
東ティモールは知ってますか?
聞いたことはあるし、だいたいの場所くらいはわかる人が多いかもしれません。私が知っていたのは、それに加えて比較的最近独立したことと、コーヒーが名産なことくらい。これはほとんど知らないと言っていいでしょう。
そんな東ティモールについて知ることができるオンライン映画祭、しかも無料!が現在開催中ということで、ぜひ皆さんにも見てほしい映画を紹介します。
映画祭では、6本の東ティモール映画が無料で見られるので、ちょっとでも気になった方はぜひ見てください。ドネーションもぜひ!
これは絶対見てほしい!『平和への道』
東ティモールについてほとんど何も知らないということで先ず見たのが、東ティモールの現代史を描いたという『平和への道』。これが本当に素晴らしい作品だったので、ぜひ見てください。
詳しい感想はこちらに譲るとして、これを見て思ったことを少し。
この映画は1975年からインドネシアに支配され、2002年に独立したあとも混乱が続いた東ティモールについて描いた作品で、東ティモールの人たちは本当につらい思いをしてきたということがビシビシと伝わってくる物語でした。
この映画を見て一番強く思ったのは、われわれも部外者ではないということ。東ティモールの人たちの悲劇の一因は国際社会が彼らを無視してきたことで、世界中の国々が救おうと本気で思えば救えた命がたくさんあったはずなのです。
そしてそれは東ティモールのことだけではなく、アフリカでも中東でも同じようなことが起きてきたし、いまもシリアやミャンマーでも起きていることなのです。
もちろんわたしたちにその紛争を解決する力はありません。でも、そこで苦しんでいる人たちのことを忘れてはいけないし、世界はあなた達を忘れていないとメッセージを送ることならできのです。この映画はそんな教訓を与えてくれます。
私たちにできることはなにか
だから私はここに東ティモールについて書いているわけですが、他にもできることがあるのではないか。そんなことを思ったのが、東ティモールのいまを描いた2本の作品でした。
1本は『ローザの旅』。
この映画は7人の子どもを抱えて首都ディリに暮らすシングルマザーのローザを追ったドキュメンタリー。
ローザはまだまだ散発的に戦闘が起きるような国で、日当3ドルの仕事をしながら7人の子どもを育ているので、彼女と国の貧しさがテーマになるのかと思いきや、そうではないのです。
彼女には、家もあるし、仕事もあるし、田舎には頼れる親戚もいて、実は恵まれている方だというのです。その中で彼女は子どもたちをしっかり育て、周りの人たちを助け、政治にも関心を持ち、国や未来のことをしっかりと考えています。
それは彼女が何十年も我慢強く耐えてきたからなのではないか、自分たちの意思ではどうにもならない苦難を耐え続け、ついに手に入れた可能性を彼女は大事にし、未来を築こうとしている。だから彼女は貧しいけれど希望を持っているように見えるのです。
もしローザが東ティモールのごく普通の人の典型なのだとしたら、この国にはきっと平和が訪れる、そんなふうに思えて嬉しい気持ちになったのです。
もう1本は『アブドゥルとジョゼ』。
こちらは1975年にインドネシア軍に連れ去られインドネシアで40年近く暮らしてきた男性が、東ティモールに里帰りするという物語です。
映画自体、家族の絆が描かれていて感動的でいい話なんですが、無視できないのはもちろんこのようなことが起きてしまって歴史的な背景と、独立して10年以上が経ってもまったく解決されていないということです。
この映画を見て強く思ったのは、権力や政治は私たちの暮らしを容易に破壊するけれど、それを立て直す手助けはしてくれないということ。だからアブドゥルはインドネシアで孤独に故郷のことを思いながら暮らさねければならないのです。
この2本の映画を見て思ったのは、東ティモールの人たちが自活する道があれば、彼らはもっと幸せになるはずだということです。
『ローザの旅』では外国勢力の介入がなければ国内の混乱も収集できない東ティモール政府の無力さが描かれてもいて、国自体に国民みんなを幸せにできる力がないことは明らかです。そのうえでどうすればいいのか考えると、それは国民が自らの生活を向上させていくしかないのだと思います。ただ、それももちろん彼らだけでできるわけではない。それならば、わたしたちが彼らを助けるしかない、そう思うのです。
この東ティモール映画祭の映画達を見ていると、現在の世界の政治的な枠組みが彼らをすくことができるとしてもそれははるか遠い未来のことに違いないと絶望的な気持ちになります。だって、1975年の出来事がまだ解決されていないわけですから。
それならわたしたちはわたしたちだけで手を取り合って幸福を掴むしかない、そんなふうに思うのです。
とはいえできることはほとんどない
とはいってみたものの、できることはほとんどありません。なので、こんな文章を書きながら、彼らが作ったコーヒーをフェアトレードで買って、コーヒーを飲むたびに彼らのことを思うことにしました。
とりあえず私にできることはこの程度のことです。「こんなこともできるんじゃない?」と思うことがあればぜひ教えて下さい。