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座頭市VSエヴァンゲリオン
「あ、あっしがエヴァンゲリオンに……?!」
座頭の市は、何も写さぬ目を驚愕に見開いた。
「その通り」
第三新江戸都市の貸元、ネルフの親方分であるゲンドウは、その油断ならぬ年輪の刻まれた皺をさらに歪ませた。
「市っちゃんにはこのままエヴァに乗ってもらうってわけよ」
「へ、へえ」
虚空を見つめる座頭市は、ゲンドウの言ったことをまだ飲み込めていないようだ。
「ですがあたしはこの通り目暗でして、エヴ
トランプvsバイデン
今日で大統領執務室の椅子に座るのも最後だ。
歴代大統領のケツの汗を染み込ませたそれは、もたれかかると応えるようにキイと鳴いた。
不思議と、今日で大統領の座を辞することに、なんの感慨もわかなかった。それどころか、この4年間、アメリカで最も偉大な男であり続けた日々は、非常に空虚なものだった。
何故なのかはもうわかっている。
あの半年だ。あの半年が私を狂わせた。
あの男とのアメリカの頂点を決
ガンマン 対 空とぶギロチン 暗黒決斗
荒野。
どこまでも吹き荒れる風の中、二人の男が向かい合う。
一方は熊のような髭を蓄えたガンマン然とした男。目元に深く刻まれた皺は猛々しい荒野を生き抜いてきた歴史を思わせる。その腰に収められるは、強者の象徴であるケント社リボルバー。通称龍殺し。
もう一方は黒のロングコートに高いテンガロンハット。荒野にあるまじき蒼白の肌をしたアジア人の男。皺ひとつなく、女性的な顔立ちをしている。その手には、長
ウエストサイド寿司職人
その提灯は俺の目の前にぼうっと現れたように思えた。
──マット寿司。
まるで何かの啓示か。にしてはいささか和風すぎる。
それにカリフォルニアで和食といったらNOBUで高級レストランだ。こんなフッドの一角に寿司屋などあるはずもない。
ネオンに照らされた看板を見ると『寿司一貫 1ドル』と書かれている。
馬鹿な。安すぎる。
和食だぞ? コンプトンの吉野家もここまで安くねえ。
きっと、アメ
継母の連れ子がスヌープ・ドッグだった
ヨー、ワッサー。俺の名前は遊佐正郎。今年の1月に俺の父さんが政府の高官とウワサの人と結婚した。その名も遊佐(旧姓伊藤)美紀子。
そこまではいい。父さんも俺が高校に入ったことでようやく自分のことに向き合えたって感じだ。でも、問題がひとつある。それは継母の美紀子さん、彼女の連れ子だ。曰く、彼女もバツイチ子持ちであり、そのこともあって父さんと意気投合したようなのだ。だがしかし、その連れ子というのがど