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オペラティック・アクション映画『レイジング・ファイア』には香港映画の全てが詰まっている
クリスマス・イブの日にひとりで映画を見ている人がいたとする。ポップコーンは買わず、ドリンクホルダーに置かれたMサイズのコーラの紙コップには水滴が浮かんでいる。その人は、物寂しい人に見えるかもしれない。孤独な人に見えるのかもしれない。しかしひとつ確かなのは、悲しい人ではないということだ。何故なら、その人はほぼ間違いなく『レイジング・ファイア』を見ているからだ。そう、『怒火 レイジング・ファイア』を見
もっとみる『孤狼の血 LEVEL2』は血がいっぱいのバイオレンスエンタメ邦画だったのでおすすめです(感想)
だってみんな好きでしょ、血。
上映後の舞台挨拶中継を見て印象に残ったのは、主演の松坂桃李も白石和彌監督も繰り返し「この作品を見て元気になってください」と言っていたことだ。
オリンピックはスポーツで日本を応援する側面もあったそうだ。その是非はともかく、スポーツを見て元気を貰った人も確かにいただろう。そしてそれは出血量も同じである。暴力は元気が出る。出血量で日本を応援することができる。そんなメッセー
総製作費120億円の地獄 超ド級のエンタメディザスター映画『レスキュー』(中国)
人が地獄から這い上がる様はいつ見ても美しい。
ハリウッドの強固なプロットシステムである三幕構成を見てみると、中盤のミッドポイントで主人公を地獄へ叩き落とせというアドバイスがある。
それほど人が地獄に落ちる様(あるいは這い上がる姿)は王道で普遍的な面白さを持つのだ。
そして来る5月21日。製作費120億をジャブジャブ注ぎ込んだ最高級の地獄が公開された。それが中国の海難救助隊の活躍を描いた映画『レスキ
70年代のストリートで撮られたヒップホップDIYカンフー映画『THE DEADLY ART OF SURVIVAL 殺人的護身術』は創ることの愛に溢れた大傑作
70 年代は黒人文化のカンブリア大爆発と言っても過言ではないだろう。白人ヒーローしかいなかった映画界ではブラックスプロイテーションが黒人ヒーローの到来を告げた。また、ニューヨークのストリートはグラフィティアートで彩られ、クールハークのDJは人々を熱狂させ、若者たちはブレイクダンスした。そう、HIPHOPの誕生である。
一方、70年代の黒人の若者たちを熱狂させた映画がある。それは遠い地、香港で作られ
「今だからこそ」が輝くNetflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-』
「今だからこそ」という惹句は最早好きなものをオススメする方便と化しているが、それでもこの作品は"今だからこそ"オススメしたい。
それが4月24日に配信されたクリス・ヘムズワース主演のNetflixオリジナル映画『タイラー・レイク -命の奪還-』だ。
クリス・ヘムズワースと言えばマーベル・シネマティック・ユニバースで雷神ソーを務めたことでも知られるオーストラリア出身の人気俳優。温暖な国をレペゼンす