「当たったためしがない」ボクシングとバレエを題材にリアルを探求した名作『勝利者』(1957年 日活)
井上梅次の脚本・監督作品のなかから、1957年5月1日に公開された映画、『勝利者』(日活)をご紹介します。
『勝利者』はボクサーとバレリーナの恋物語です。石原裕次郎売り出しのために作られた『勝利者』は1億円を超す配収となり、大ヒットを記録しました。
当時、一部にはこの企画に反対があったといいます。それまでボクシングとバレエ映画は井上曰く「当たったためしがなく」、俳優ができない、踊れない、よって迫力あるシーンにならない……というのが当時の見解でしたが、井上は「話が面白く組め