イノカド

機械工学科出身で独学でプログラミングを勉強してます.

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最近の記事

4大力学攻略法 〜熱力学編〜

こんにちは。イノカドです。 今回は、熱力学の勉強について語っていきたいと思います。 熱力学はこれまで紹介してきた機械力学・材料力学・流体力学の3つの力学とは少し毛色が違います。どう違うかと言うと、熱力学は目には見えないエネルギーを扱い、エネルギーの移り変わりが議論の中心になります。 熱力学は、エネルギーから発展して、エントロピー・エンタルピーといったより抽象的な概念にも踏み込んで行きますので、4大力学の中では一番浮いた存在に感じるかもしれません。 補足しておきますと、

    • 4大力学攻略法 〜流体力学編〜

      こんにちは。イノカドです。 今回は、流体力学の勉強について語っていきたいと思います。 流体力学とは、自由に変形する流体の運動を解析する学問です。そのままですね。個体を扱う機械力学や材料力学とは違い、流体力学では、水や空気のように不定形な対象の運動が興味の対象になります。 流体力学が設計に必要となる場面は、自動車や新幹線、飛行機のような移動機械の空力抵抗を見積もり、低減するための形状を決定する時や、エンジンやタービンの燃焼効率を高めるために、空気の流れを解析する時に使われ

      • 4大力学攻略法 〜材料力学編〜

        こんにちは。イノカドです。 今回は、材料力学の勉強について語っていきたいと思います。 材料力学とは、剛体力学から一歩踏み込んで、物体の変形まで考慮します。材料力学を学ぶ理由は、機械を安全に設計するための知識を身に付けるためです。 材料力学で学ぶことは、ある力(応力)が働いた時にどれだけ材料が伸びたり、曲がるのかを計算する方法です。 材料力学では、力とモーメントの作用が重要な役割を演じるので、機械力学で必要とされる数学的な技量・計算力よりも、物理的な考え方が重要になりま

        • 4大力学攻略法 〜機械力学編〜

          こんにちは。イノカドです。 引き続き、私の機械力学の勉強法について話していこうと思います。 機械力学とは、機械の動作により生じる力を扱う学問です。 機械力学でどんな話題が出てくるのかと言いますと、主には、微分方程式・ラグランジュの運動方程式です。知っていると便利な知識は、ラプラス変換です。 機械力学は物体を剛体として扱い、物体は変形しないものとして扱います。発展的な話題として、機械力学は制御工学や機構学にも繋がっていきます。 1. どうして機械力学が必要なのか?つい

          4大力学の攻略法 〜剛体力学編〜

          こんにちは。イノカドです。 引き続き、学生時代に4大力学をどう勉強したのかについてお話したいと思います。 新しい学問を勉強する時には最初に、今までの知識との違いを調べ、その違いを生む考え方や思考を把握することから私は始めます。こうすることで、効率よく知識の差を埋められるからです。 剛体力学を例にすると、高校物理で学んだ質点の力学との違いを最初に把握することで勉強を効率よく埋められます。 剛体力学と質点の力学違いは、物体の大きさを考慮し、回転運動も含めて物体の運動を論じ

          4大力学の攻略法 〜剛体力学編〜

          4大力学の攻略法 〜前提として、大学での勉強とは〜

          こんにちは。イノカドです。 前回までは、機械工学科(機械系)への進学を考えている方向けに、機械工学科で学ぶことを紹介しました。 学ぶことは分かったけど、どう学べば良いか分からないと言う方も多いのでは無いでしょうか? 入学当時の私もその一人でした。 4大力学?何それ?高校物理とどう違うの?いろんな疑問が浮かんで、大学の勉強について行けるか非常に不安でした。 今回は、学生時代に4大力学をどう勉強したのかについてお話したいと思います。 なぜ、学生時代の勉強について語ろうと

          4大力学の攻略法 〜前提として、大学での勉強とは〜

          機械工学科に入る前に知っておくべきこと 3/3 〜製図・設計とは〜

          こんにちは。イノカドです。 今日は、機械工学のもう一つの柱である製図についてお話しようと思います。 1. 製図とは製図とは、機械部品の構造を誰にでも分かるように表現する作図法のことです。 どうして、誰にでも分かりやすい図面を描く必要があるのでしょうか? 例えば、筒を作るとしましょう。自分で作るのなら、形状や寸法が頭の中にあるので、円柱を買ってきて穴を空ければ簡単に作製出来ます。 この円筒の加工を人に依頼した場合はどうでしょうか? 出来上がった物は、想像とは全く違う物

          機械工学科に入る前に知っておくべきこと 3/3 〜製図・設計とは〜

          機械工学科に入る前に知っておくべきこと 2/3 〜4大力学を学ぶ準備〜

          こんにちは。イノカドです。 多くの方は、4大力学と聞いて、学ぶべき力学が複数種類あることにびっくりされたかもしれません。 でも安心してください。4大力学はあくまでも、高校物理の延長線上にある学問です。相対論や量子論のように一から勉強する必要はありません。 4大力学を理解するためには、高校物理で習ったニュートンの3法則・エネルギー保存則/運動量保存則などをきちんと理解していれば問題ありません。 理解度の目安としては、高校物理の教科書の力学の範囲を読んでつまづかなければ大

          機械工学科に入る前に知っておくべきこと 2/3 〜4大力学を学ぶ準備〜

          機械工学科に入る前に知っておくべきこと 1/3 〜機械/機械工学とは〜

          こんにちは。イノカドです。 今回からは、機械系学科の進学を考えている方や、機械工学に興味を待たれている方向けに、機械工学とは一体どう言う学問なのか、と言うことについてお話したいと思います。 そもそも、機械とは一体何でしょうか? 1. 機械とは?これに対する明確な定義はありません。ここでは、代表的な定義を紹介します。その定義とは、 ”機械とは、人間にとって有用な目的を達成するために、物体を組み合わせたもので、これらの各部に所定の機能を与え、全体の機能を実現させたもの。”

          機械工学科に入る前に知っておくべきこと 1/3 〜機械/機械工学とは〜

          メカトロニクスとIT

          こんにちは。イノカドです。 今回は、メカトロニクスとITの関係について考察していきたいと思います。 今まで、長々と機械のメカトロニクス化について語ってきました。 メカトロニクス化とは、要するに何なのか?ということですが、 ”メカトロニクス化とは、電子部品を機械に組み込むこと。” と、解釈出来ます。 1. メカトロニク化とITこれは、部品の主役が機械要素から電子部品になるということです。 メカトロニクス化は製品のIT化によるQCDの向上というメリットも同時にもたらしま

          メカトロニクスとIT

          メカトロニクス化が産業に与えた影響 2/2

          こんにちは。イノカドです。 前回は日本企業の視点からメカトロニクス化を考えましたが、ここからは、欧米のライバル企業の視点でメカトロニクス化を考えてみましょう。 欧米企業は、日本のメカトロニクス製品に圧倒され、市場を奪われてしましました。どうすれば、この難局を切り生き残ることができるのでしょうか? 6. QCDを考えてみよう基本に立ち返りQCDに沿って考えてみましょう。 まず、Q(品質)について考えましょう。品質は会社の技術力や、部品メーカの品質に左右されます。 製品

          メカトロニクス化が産業に与えた影響 2/2

          メカトロニクス化が産業に与えた影響 1/2

          こんにちは、イノカドです。 メカトロニクス製品は、高信頼性・低価格・高い量産性という素晴らしい特徴を持っているということをお話しました。 話は前後しますが、日本がメカトロニクスに到るまでの歴史を大雑把に解説します。 1. 前史ー日本と欧米の技術格差日本の技術者達は、文明開化の時代から、技術力で欧米に勝とうと必死に努力してきました。ですが、製品の品質は一朝一夕で向上するものではありません。 なぜなら、機械の品質は、工作機械の精度・材料の品質・研究力などの要素によって決ま

          メカトロニクス化が産業に与えた影響 1/2

          機械屋とメカトロニクス 2/2

          こんにちは。イノカドです。 引き続きメカトロニクスを語っていきたいと思います。 4. 信号の伝達方法前回は、機械の部品は簡単には減らせないと言うことをお話しました。ですが、「QCDの向上は出来ません」などと言ったら、その設計者はクビです。 どうすれば、部品数を減らし、かつQCDの向上が出来るのでしょうか? これを達成すため、機械屋達は信号の伝達方法を根本から見直したのです。 従来(1950年代まで)、信号の伝達は、歯車やベルトのかみ合わせとベルトの摩擦などによって行わ

          機械屋とメカトロニクス 2/2

          機械屋とメカトロニクス 1/2

          こんにちは。イノカドです。 今日は、メカトロニクスについて語りたいと思います。 この話題を選んだ理由は、機械とITの関係を語る上で避けては通れない話題だからです。 1. エンジニアとは?皆さんは、エンジニアと聞いてどんな人達を想像するでしょうか?  普通は、システムエンジニアやWEBエンジニアなどのITエンジニア、いわゆる ”プログラマ” を想像される方が多いと思います。 全然間違ってはいないのですが、英語でのエンジニアの本来の意味は、”工学(エンジニアリング)に関す

          機械屋とメカトロニクス 1/2

          ある機械屋のプログラミングとの出会い 後編

          こんにちは、イノカドです。 前回に引き続き、私のプログラミングとの出会いを語っていきたいと思います。 前編でお話ししたように、当時の私にとってプログラミングとは、精神的な苦痛に満ちた苦行だったわけです。 ですから、当然プログラミングは嫌いで自学・自習をしようなんてこれっぽっちも思っていまでんした。 ですが、ある人との出会いによって、私のプログラミングへの思いは180度変わることになりました。 彼の名前をアオキ君とさせていただきます。アオキ君は機械学科の中では変わり者

          ある機械屋のプログラミングとの出会い 後編

          ある機械屋のプログラミングとの出会い 前編

          はじめまして、イノカドと申します。 日本の片隅で、ひっそり生息しているしがない機械エンジニアです。 機械エンジニアの視点からのプログラミング・IT技術について語っていきたいと思います。 初めての投稿ですので、一人の機械エンジニアのプログラミングとの出会いの話をしたいと思います。 昨今のIT業界の興隆や、学校教育・副業の話題で ”プログラミング” という単語を聞かない日は無いのでしょうか。 私自身は、学部1年の工学部機械工学科の必修科目で、C言語というプログラミング言

          ある機械屋のプログラミングとの出会い 前編