機械工学科に入る前に知っておくべきこと 3/3 〜製図・設計とは〜
こんにちは。イノカドです。
今日は、機械工学のもう一つの柱である製図についてお話しようと思います。
1. 製図とは
製図とは、機械部品の構造を誰にでも分かるように表現する作図法のことです。
どうして、誰にでも分かりやすい図面を描く必要があるのでしょうか?
例えば、筒を作るとしましょう。自分で作るのなら、形状や寸法が頭の中にあるので、円柱を買ってきて穴を空ければ簡単に作製出来ます。
この円筒の加工を人に依頼した場合はどうでしょうか? 出来上がった物は、想像とは全く違う物になるでしょう。
これは、自分と加工者の間に認識の違いがあるからです。この認識の違いを無いために、両者で解釈が一致する図面を描く必要があります。
誰にでも分かりやすい図面を描く必要があることがお分かりいただけましたか? 繰り返しになりますが、誰にでも分かりやすい図面を描く作図法が製図です。
また、どんなに分かりやすい図面でも、我流の製図の方法では管理が大変になります。そのため、図面はJIS規格やISO規格と呼ばれる日本や国際的に取り決められた作法に従い製図する必要があります。
要するに、製図の方法にも規格があると言うことです。このように、製図の方法や作法を学ぶのが機械工学科での製図の授業です。
昔は、手描きで図面を製図していましたが、最近の授業では、CAD(computer-aided design)と呼ばれるコンピュータソフトを使い画面上で製図を行うと思います。
2. 規格とは
規格と言う単語が先ほど出てきましたが規格とはなんでしょうか?
なぜ、必要なのでしょうか?
規格とは、”標準化のために決められた、ある「取り決め」を文章に書いたもの。” です。
有名な規格として、ISO規格やJIS規格などがあります。
規格で重要となるのは標準化です。基本的に、規格により定められた条件を逸脱する部品を製造・使用することは出来ません。
と言っても、規格を逸脱する部品は売っていないので買えないのですが......
規格によって寸法や形状が定められている部品は、ねじ・歯車・軸・バネなどです。皆さんが目にする製品は、規格に定められた部品によって構成されています。
では、どうして規格が必要なののでしょうか。
いくつか理由が挙げられますが、主な理由は機械を修理しやすくする(=互換性を高める)ためと、機械の品質を高め製造しやすくする(=生産性の効率化)ためです。
3. 設計とは
設計とは何か、これに対する答えは設計者それぞれで異なると思います。私なりには、
”設計とは、実現したい機能を達成するために、部品の形状や配置を決定する作業” と考えています。
製図作業だけが設計者の仕事ではありません。設計者は、どんな機能を実現したいのかを明確にし、設計思想に基づいて、どんな要素技術を導入し、どの部品を使うのかを決定する上流工程から、下流工程の製図までの全てを行う技術者なのです。
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