機械工学科に入る前に知っておくべきこと 1/3 〜機械/機械工学とは〜
こんにちは。イノカドです。
今回からは、機械系学科の進学を考えている方や、機械工学に興味を待たれている方向けに、機械工学とは一体どう言う学問なのか、と言うことについてお話したいと思います。
そもそも、機械とは一体何でしょうか?
1. 機械とは?
これに対する明確な定義はありません。ここでは、代表的な定義を紹介します。その定義とは、
”機械とは、人間にとって有用な目的を達成するために、物体を組み合わせたもので、これらの各部に所定の機能を与え、全体の機能を実現させたもの。”
......ハイ、意味不明ですね。すみません。解説していきます。
昔ながらの機械の定義は、”機械は2個以上の部品から成り、設計通りの動きを実現させたもの”と言うものでした。これは、機械は動いたりエネルギーを発生させるものだ、と言う素朴な感覚に基づいています。この定義にあてまる機械に、自動車や飛行機などがあります。
ですが、コンピュータやスマートフォンなどは、それ自身が動いたり、エネルギーを発生させる訳ではありません。これらは機械では無いのでしょうか?
IT機器の普及に伴い、この定義は時代遅れになっていきました。そこで、機械の定義を見直す必要が出てきたのです。
そこで提案されたのが、最初の定義です。この定義は、人間に有用な動作をする人工物は機械であると言う思想です。
機械の定義は分かりました。では、機械工学では一体何を学ぶのでしょうか?
2. 機械工学とは?
機械”工学” と聞くと身構えてしまう方もいると思いますが、それ程複雑な学問ではありません。機械工学とは機械の形を決める学問です。
確かに、形を決めるだけなら、子供でも出来ます。ですが、その機械は本当に動くでしょうか?品質は?きちんと組み立てられるでしょうか?おそらく、まともに機能しないでしょう。
機械の形を科学的・合理的に決めるためには知識が必要です。そのための知識をまとめたものが機械工学であり、機械工学科(機械系学科)ではこれらついて学びます。
では、機械の形を決めるために必要となる知識とは何でしょうか?主に必要な知識は、4大力学(機械力学・材料力学・熱力学・流体力学)と、設計・製図の知識です。
私が所属していた機械工学科では、学部1年では、4大力学の基礎となる剛体の力学と微分積分を学び、学部2・3年で4大力学と設計・製図を学びました。ちなみに、4年では研究を行います。
どの大学でも概ねこのようなカリキュラムなのでは無いでしょうか。
次回は、4大力学について解説していきます。
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