とびきりの秋が茨城にあっぺよ
まだまだ暑いけど、秋が去ってしまわぬうちに秋を見つけにいこう。ということで奥さんの友人がとても楽しかったとオススメの栗拾い。幸いにも涼しく絶好の栗日和。
「さぁいこうぞ!」
奥さん、9歳三女、2歳次男に呼びかける。
「くりいくの?これ持っていきなよ」
次男が物騒なものを私に手渡してきた。栗はトゲトゲしてるからこれをもってると安心だそうだ。
黒のTシャツ、黒のトレパンというヒットマンスタイルでポッケにチャカを忍ばせて、さあ出発。
車を走らせること1時間。茨城県かすみがうらの矢口果樹園さんに到着。車の中にチャカを忘れてきてしまったが、ワイルドな農園の雰囲気に興奮して私も次男もその存在さえも忘れる始末。とにかく早く秋に会いたい。
着くと早々に物腰柔らかく見るからに優しそうな男性が案内してくれた。
「どうぞお乗りください…」
これに?
うん…。これに乗るんだよ。
奥さん、そしてみんなで顔を見あわせながらニヤリほくそ笑む。鮮やかなピンク色のカートに家族4人で乗り込む。
「では行きますよー!」
男性がアクセルを踏んだ瞬間、前のめりだった私たちの身体は自然とシートへ。手は目の前のバーへ。カート1台ギリギリの道路をなかなかのスピードで走り抜ける。もう完全にマリオカートやん。
わが家のピーチ姫と道路脇の雑草を身体を揺らし避けながら歓声をあげる。栗拾いする前から十分面白いんやけど。カートに乗って1分ほどで到着。
そこには何とも豊かで平和な桃源郷。
いや栗源郷が広がっていた。
人数分の軍手とメッシュ袋を手渡され…
「金の栗が落ちているから探してみてください。塗ったやつだけどね。分かりにくいところに隠してるから頑張ってね!」
「わかりました。頑張ります!あっ、帰りはまたお迎えに来てくれるのですか……?」
またマリオカートできるかも…期待を込めながら聞くも時間になったら歩いて帰るシステムということを知り、奥さんと少し肩を落とす。
でも目の前に広がった光景にワクワクは止まらない。童謡や絵本に出てくるような景色にみんなテンション爆上がり。チャカは不要。
金の栗を見つけると特別なプレゼントが用意されているらしい。そして子どもも楽しめるよう、ある程度イガから栗を出してばらまいてくれている気遣いもありがたい。
木の枝で土を掘ったり、必死になって金の栗を探したけど見つからずあっという間の1時間。宝探しのようだった。童心に帰るとはまさにこの事。子どもたちよりきっと私の方が楽しんでいた。
栗きんとん、栗ごはん、モンブランと帰ってからまた秋を楽しめる栗拾い。大人にもぜひオススメしたい。矢口果樹園さんありがとうございました。
果樹園を後にし、もう一つお目当があった。茨城県と言えば?栗?メロン?食の王国「茨城県」はなんとさつま芋も全国2位の生産量を誇る大産地である。何やら、めちゃんこ旨い焼き芋があるらしい。
箱は家族みんなのお土産に。小ぶりの焼き芋をおやつに買う。ほろりと剥ける皮、蜜でツヤツヤの焼き芋。黄金色に輝いている。口にいれた瞬間、さつま芋の滑らかな食感に震える。
なにこれ!?サツマイモの醸し出す上品な香りと何とも程よい甘みは今まで味わったことのないものだった。子どもたちも感動して芋食う手が止まらない。あまりの美味に追加で2箱購入。
これはまさに極上の秋スイーツ。
家に帰りさらに秋を楽しむ。
止むことのない食欲。とにかくあの芋が食いたいっぺ。ご飯前に2本食す。ちょっとこの蜜蜜しさを見てもらえませんか。
さらにデザートで追い焼き芋。鈴木農産さんおススメのオーブンで温め、バターで食べるという背徳感しかない食べ方をしてみる。
私の中のミルクボーイがそれはもう激しくツッコむ。「これスイートポテトやないかーい!」三女も同じく激しくツッコみながら、何回塗んねんというぐらいバターを塗って極上スイーツを堪能。
最後の一個はミルク味あふれるバニラアイスと食したい。やめられない、とまらない蜜芋はこちら。
「毎年の定番にしようね」
「ウッス!」(ずっと焼き芋が口に入っている)
奥さんと毎年ここに秋を探しに来ることを約束した。しばらくの間、芋と栗で秋を味わい尽くしたい。
茨城には最高の秋があっぺよ。