サウナは大人のエンタメである
私はサウナが好きだ。
一昔前は週1日ペース、40代になった今でも出張、仕事帰り、休みの日と月に数回は、2時間ぐらい自由な時間があれば、サウナへ自然と足が向かう。
サウナへ行くと、炭酸泉などにゆったり浸かってから
サウナ ☛ 水風呂 ☛ 外気浴
体調によって水風呂を省いたりしながら、これを2,3度繰り返す。
私は、横になりながら外気浴をするのだが、ここで最高の瞬間が訪れる。
最近よく聞く「ととのう」というやつである。
サウナ・水風呂の緊張状態から解放され、身体が常温に戻る中で、全身に血液が循環している感じ、脈拍が、安定してくる頃に深い沼に落ちていくような感覚になる。
脳はキンキンに冴えていながら「無」になっていくイメージで、脳の疲れまでとれたような気になる。血行促進・発汗によって肌もツルツルになって疲労も回復する。
しかし、サウナ室内にいる時は、修行みたいなもので、おっさんに囲まれた灼熱地獄である。(私も立派なおっさんだが……)
年齢も違うおっさんたちが、健康という目的のために集うオアシス。
それぞれのリラックス方法を観察しているだけで、その人の人生を垣間見ているような気がして面白い。
100℃近い室温の中、
ハアー、ハアー言いながら、突然、腕立て伏せ始めたり……
対面で、180°開脚のストレッチが突然始めたり……
テレビに、ずっと一人でツッコんでいたり……
(すべてちょっとマナー違反…。)
肩が触れ合うほどの距離で、ずっと誰かの噂話をしてるおっさんたち…
「大丈夫なのかい?」というくらい微動だにしない仙人のようなおじいさん……
みんな滝のような汗をかいて表情は苦しそうだが、それぞれリラックスタイムを楽しんでいる。
平和な空間である。
普段忙しく過ごしている人ほど、サウナをおススメしたい。
さすがに目の前で、開脚されたら気になって仕方がないが、熱さでそのうちどうでもよくなってくる。
考え事をしていても、そのうち出来なくなり、自身の内面と無意識に向きあうことができる。
そして、空前のサウナブームの中、色んな施設で、エンターテイメントにも力が入っている。
静ではない動のサービス。それがロウリュウというイベントである。
熱したサウナストーンにアロマ入りの水をかけて水蒸気を発生させ、体感温度を上げてより効果的に発汗を促す。
アウフグースとか熱波ロウリュウとか…呼び方はさまざまだが、スタッフがタオルやうちわを使って、全力で熱波を送ってくれる。
以前行った埼玉のサウナで、こんな状況に遭遇した。
熱波師の兄さんが、熱気をうちわで拡散させた後、
「これよりお一人ずつに熱波をお送りします。みなさまもよろしければご一緒に発声をお願いします。」
「発声… ん、発声???」
もうこの時点で、意識が朦朧としていたが、ハッと我に帰った。
兄さんが、特大うちわを肩越しから振りかぶり「ヨイショッ!!」と大きな声を出しながら、一人一人に熱波を送る。
するとそこら辺のおっさんが全員で、手拍子しながら「ヨイショッ!!」のコール。
「ヨイショ!」「まじか?」
熱波
「ヨイショ!」「みんな言うのか?」
熱波
「ヨイショ!」「よ、よいしょ…」
熱波
「ワッショイ!」「よいしょちゃうんかい!」
熱波
「ワッショイ!」「ワッショイ!」
熱波
「ワッショイ!」「ワッショイ!」
いつの間にか知らないおっさんたちと叫びながら裸で、神輿を担いでいるような感覚になっていた…。
サウナ内は異様な一体感で、おっさんたちの優しさに満ち溢れている。
祭りが終わり「それでは、ロウリュウを終了させていただきます。ご協力ありがとうございましたー」と兄さんが元気よく挨拶すると、盛大な拍手で称え、ロウリュウが幕を閉じる。
閉幕と同時に、熱さを我慢していたおっさんたちが、一斉に水風呂めがけて飛び込む。
水風呂に入っていると同士になっているような不思議な感覚に包まれた。
何かと似ている……。
そうだ!
これは、部活だ。
同じ目的を持った仲間が集まり、苦しみを乗り越えて頂を目指す。ロウリュウ体験を通して、すっぽんぽんのおっさんたちと親睦を深める。
時には、一人でじっくり自分の内なる声に耳を傾け静を楽しんだり、知らないおっさんとはしゃいだり、気のあう仲間とじっくり話をして動を楽しんだり、楽しみ方はひとそれぞれ。
サウナは、年齢の垣根を越えた大人の社交場であり、疲れを癒し、楽しむこともできるエンターテイメントである。
寒い季節にこそ、身も心も温めて楽しんで欲しい。さぁ書き終わったので、サウナへ行こう。
おすすめサウナグッズ
★お風呂バック
近所に行くのに便利。パンツがはいってそうには見えない。
★サウナタオル
旅行、出張などでかさばらず、すぐに乾くので一つあると便利。
最後までお読みいただきありがとうございました。 いただいたサポートは他のクリエイターさんのサポートと奥さん子どもにあずきバーを買ってあげたいです。