【助成先紹介】いきものの命を大切に 週6活動する科学部
インクラインファンド事務局の下尾です。今年度の公募につきまして、たくさんのご応募をいただきありがとうございました。助成先が決定しましたので順を追って紹介させていただければと思います。※今年度の公募は終了しました。
今回は、実験/こだわり探究部門にご応募いただき、見事採択となった木津高校科学部さんの活動を視察し、活動内容や思いについてお聞きしました。
Q.活動内容について教えてください。
大きくは3つのことに取り組んでいます。
①在来種のミナミメダカと改良メダカの飼育、品種改良
②メダカの飼育水を用いた野菜の栽培
③廃棄野菜を用いたムラサキウニの養畜
これらのすべてが1つの場所、さらには海から遠い木津川市で実現できれば荒廃農地の再利用も見込めると思い、実施しています。
特に力を入れているのはウニの養畜です。現在京都北部でウニが増加しており、海藻を食べてしまう磯焼けが問題になっています。ウニがやっかいものとされ、被害が出ていることを知りどうにかしたいと思い取り組んでいます。
他には、亀、川魚、すっぽん、カナヘビを育てており、亀やメダカをテーマに近隣の小学校へ出前授業へ行くこともあります。
Q.活動頻度はどれくらいですか。
月曜日から土曜日です。土曜日は平日より人が減る場合もありますが、基本的に週6で活動をしています。とはいえ、週2~OKと気軽に来てもらっています。いのちを育てている意識を持ち、餌の当番は協力して取り組んでいます。
Q.活動で大切にされていることはなんですか。
第一に命を大切に扱うこと、そのために常に気にかける・放置しないことを心がけています。例えば、育てている亀を外へ散歩させにいくことがありますが、少し目を話しただけでどこかへ行ってしまうことがあるので、スマホを見たりせず、きちんと見ておくよう気をつけています。
また、部活に来れるメンバーは日ごとに連絡をしあっていて、急遽行けなくなってもすぐ相談しあえるようにしています。テスト期間は部活が無くなりますが、お昼ご飯を部室で食べ、その際いきものに餌をやるなど、工夫しながら取り組んでいます。
Q.活動のやりがいを教えてください。
校内イベントで地域の人と関われること、小学校への出前授業で小学生へメダカや亀について伝える機会があること、部員が主体となって伝えに行けることが楽しいです。出張授業では、熱心にメモを取ってくれる小学生がいたり、「亀の足が恐竜の足みたい」と、観察してくれた感想をその場でもらえたことが嬉しかったです。
Q.今後に向けた意気込みをお願いします。
いろんな活動を始めていますが、より広い視野で生態系を研究するというのが私たちの目標です。海の無い木津川市でウニの飼育ができると、小学生に伝えられることが広がるので、実現に向けて頑張っていきたいです。
また、新しいいきものを育てるなかで、つまづくこともあります。例えば今育てているウニは、海から来たものです。これまで海のいきものを育てたことがなかったので、初めは戸惑いました。水槽の水の塩の温度を調整しないといけなかったりと、川魚より育てるのが難しいです。これからも、そういった難しいことはあると思いますが、どんなことがあっても向き合って、絶対に育てるんだという気持ちで一生懸命やりたいです。
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最後に、科学部の顧問である大内先生より今回の応募についてコメントをいただきましたので紹介させていただきます。
活動継続のための資金獲得、ひいては教育的効果も
失敗してもいいのでやってみようという思いで生徒と応募をしました。一般的な研究関連の助成金は書く力がないと難しいですが、インクラインファンドでは、面談で生徒が自身の言葉で思いを伝えることができ、それを評価いただきました。進路決定にあたりAO入試に臨む生徒もいますので、選考面談は生徒自身が考えをまとめ、他者へ伝える良い練習になると思います。その意味で今回の挑戦は、活動継続のための資金を獲得することはもちろんですが、生徒にとって外部の方へ活動について自身の言葉で話すという良い経験になったのではないかと思います。
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様々な活動をされている科学部の皆さんですが、今回ご応募いただいた実験/こだわり探究部門では、海から離れた木津川市にて荒廃農地の再利用などを目指し、めだかの飼育および飼育水を用いての野菜栽培と生育への影響調査、またムラサキウニの蓄養を行うという取組で見事採択となりました。現在鋭意取組中ということで、まだまだ科学部の皆さんの挑戦は続きます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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