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書籍レビュー

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#本

書籍レビュー『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』岩田徹(2021)本をこよなく愛す店主が選ぶあなただけの本

書籍レビュー『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』岩田徹(2021)本をこよなく愛す店主が選ぶあなただけの本

【約900字/2.5分で読めます】

著者は北海道の「いわた書店」の店主店主の岩田徹氏は、'90年に親からお店を引き継ぎ、出版界の不況の荒波を乗り越えました。

こう書くと、簡単に聞こえますが、本書でも書かれているように、その経営は苦しいもので、何度、店を畳もうと思ったかわからないほどだったそうです。

そんな中、学生時代の先輩から舞い込んだ「この1万円で適当に本を見繕ってくれ」という依頼がヒント

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書籍レビュー『穴があったら入ります』高畑充希(2022)女優・高畑充希の魅力を凝縮

書籍レビュー『穴があったら入ります』高畑充希(2022)女優・高畑充希の魅力を凝縮

複数のクリエイターを起用舞台、テレビ、映画で
幅広い作品に出演する女優、
高畑充希の初フォトエッセイです。

北海道の釧路から根室への
旅の写真の他に、
古着屋などさまざまな場面の
写真が収められています。

撮影は、フォトグラファーの
五十嵐隆裕氏、
タカコノエル氏が担当し、

それぞれの持ち味を活かしつつ、
彼女の自然な表情を
映し出しています。

読書で培った自然な文体エッセイは、2年をかけ

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書籍レビュー『心理的安全性のつくりかた』石井遼介(2020)健全な議論のために大事なこと

書籍レビュー『心理的安全性のつくりかた』石井遼介(2020)健全な議論のために大事なこと

心理的安全性とは’99年にハーバード大学の
エイミー・C・エドモンドソン教授が
「チームの心理的安全性」
という概念を論文で発表しました。

これまでに、
8000回以上引用された論文です。
(論文はどれだけ引用されたかによって、
価値が決まる)

この論文で教授は、
チームの心理的安全性を
このように定義しています。

「チームの中で対人関係における
リスクをとっても大丈夫だ、
というチームメン

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書籍レビュー『しりとりえっせい』中島らも(1990)ギャップで惹きつける語り口

書籍レビュー『しりとりえっせい』中島らも(1990)ギャップで惹きつける語り口

逃げても追いかけてくる「らも」「中島らも」という名前を
はじめて見たのは、
いろんな本を読むようになってからの
ことだったと思います。

小説でいくつかの賞を受賞していたり、
映像化している作品もあるようだったので、
単に「有名な作家さんなのだな」
という認識でした。

『ガダラの豚』とか、
タイトルがおもしろそうで、
興味はありましたが、
なんとなく躊躇していました。

30代になってからの話で

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