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書籍レビュー『穴があったら入ります』高畑充希(2022)女優・高畑充希の魅力を凝縮
複数のクリエイターを起用
舞台、テレビ、映画で
幅広い作品に出演する女優、
高畑充希の初フォトエッセイです。
北海道の釧路から根室への
旅の写真の他に、
古着屋などさまざまな場面の
写真が収められています。
撮影は、フォトグラファーの
五十嵐隆裕氏、
タカコノエル氏が担当し、
それぞれの持ち味を活かしつつ、
彼女の自然な表情を
映し出しています。
読書で培った自然な文体
エッセイは、2年をかけて
本書のために書き下ろされた
16篇の作品です。
彼女が子どもの頃から
両親の影響を受けて、
舞台観劇に親しんできたことは、
エッセイでも触れられています。
舞台と同時に、
彼女がこよなく愛してきたのが読書で、
これはお父様の影響だそうです。
そんな彼女が紡ぐ文章は、
とても読みやすく、
ごくごく自然な語り口でした。
語られているのは、
役者としての仕事のこと、
日常生活のこと、
また、家族や友人との
別れなど、多岐に渡ります。
かつて恋人とのデートを
週刊誌に撮られた話が、
赤裸々に語られていたりするのは、
ビックリでしたが、
そういう話題もサラッと
普通に語れてしまうのが、
彼女の大きな魅力ですね。
女優・高畑充希の魅力を凝縮
彼女自身は、エッセイの中で
「憑依体質ではない」
と書いていましたが、
作品によって、
全然違う人に見えることも多く、
常日頃、私は、
女優・高畑充希を
「カメレオン女優」だと
思っています。
迫真の演技をするのは、
もちろんのこと、
引き出しの数がハンパではありません。
たくさんの表情を持った、
彼女の魅力を複数のクリエイターを
起用することによって、
余すところなく引き出しています。
1ページごとの
出来栄えもさることながら、
写真とエッセイの
バランスや構成も素晴らしく、
何度も開きたくなる本です。
【作品情報】
発行年:2022年
著者:高畑充希
出版社:パルコ出版
【著者について】
’91年、大阪生まれ。
女優。’05年、デビュー。
'07~’12年には、
ミュージカル『ピーターパン』にて
8代目ピーターパン役を務める。
’17年、NHK連続テレビ小説
『とと姉ちゃん』で
連続ドラマ初主演。
舞台、テレビ、映画と幅広く活躍。
【高畑充希の出演作品】
【本書に携わったクリエイター】
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