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商人魂(繁盛事例):名古屋モーニングの起源は、“ガチャマン景気”。音を立てて押し寄せた、新たな喫茶文化。

名古屋といえば、モーニング。
全国的に知れ渡った、周知の事実。

喫茶店で飲み物を頼むと、
トーストやゆで玉子がついてくる、
朝限定のサービスです。

いまや全国から人が集まって来るほどの
観光資源だとも言えます。

このモーニングの起源は、名古屋ではなく、
名古屋の北に位置する一宮市だと言われています。

一宮市は、全国的にも有名な繊維の街。

街中に、糸を織る機屋(はたや)があり、
全国からいろんな業種の人が、
打ち合わせのためにやって来ていました。

その際、社内では機械の音がうるさくて、
商談ができないため、近くの喫茶店を
会議室や応接室として利用していました。

高度成長期でもあり、商談に喫茶店を利用する費用など、
気にする必要もないほど、好景気だったのです。

当時の一宮市の活況を表す言葉に、
“ガチャマン景気”という表現があります。

糸を織り上げる機械が、ガチャンと音を立てるたびに、
1万円儲かると言われたので、“ガチャマン”なのです。

この音が、昼夜を問わず、鳴り響いていました。

そこで働く人びとも、
毎日のように喫茶店を利用したので、
周辺に喫茶店が増えていったのです。

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