【3】かぐや姫の憂うつ (短編小説)
3:ひっきりなしの求婚
数ヶ月後、かぐやは文字通り大きくなった。
人間の手のひらサイズだったのが平均的なコドモと同じぐらいの背丈になり、黒く艶やかな髪は腰まで伸びた。
フウフはその成長の早さに度肝を抜かれたが、長らくコドモがいなかったこともあり、より一層彼女を大切に育てた。
彼らがかぐやを大切にした理由は他にもある。
彼女がフウフと出会う前に待機していたタケやその周りのタケから、コバンがザクザク出てきたのだ。
この島国では、コバンがあれば欲しいものが何でも手に入り