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分身たち

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書いた言葉は、自分から生まれた自分だと思っているので。詩がいます。
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#超短編

【詩】春一番

【詩】春一番

花の中に見たことがある星があって、
花びらが舞うのと同時に、
その星達も弾け飛んだ、
ぐるぐるぐるぐる巡って、
中心には大きな光の集合体が完成、
あなたの生まれた日、
もう一度同じ場所に立った時は、
限りない空間の中で、
祝福の歌を歌います。
あなたが望んだ世界になっているかな、
あなたはなんでここにいて、
すぐにいなくなってしまうんだろう。
後ろとか前とか右とか左とか、
そんなふれられない場所に

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【詩】さくらさく。

【詩】さくらさく。

桜が咲くと、どこからともなく声がして、根元あたりには、その声に呼ばれた次の桜が集まっていた。

水の中に潜れば、花びらが水面を覆っていて、魚と一緒に、お祝い事に持っていこうかと、ひとつひとつ丁寧に、手先の器用さを活かして花束を作っていた。

心地よい陽の光は、綺麗な影を作り出してくれた、誰も見捨てないし、離れないように手を繋ぎましょう、だから、どうかそんな寂しい顔をしないでほしい。

今日から一斉

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