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過敏性腸症候群(IBS)とストレスや自律神経との関係性
過敏性腸症候群(IBS)とストレスや自律神経との関係性について、今回は解説していきます。
過敏性腸症候群だけでなく、ストレスや自律神経は胃腸に大きく関係する要因となりますのでしっかりと知識を深めて、過敏性腸症候群の対策を行いましょう。
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過敏性腸症候群(IBS)は過度ストレスや自律神経の乱れで悪化する?
胃だけでなく腸もストレスや自律神経の乱れによる影響を非常に受けやすい内蔵器官です。胃腸などの消化官は、神経を介して脳と繋がっており、自律神経によって主に調節を行っています。
そのため過度なストレスなどで自律神経が乱れてしまうと、便秘、下痢、腹痛などの症状が起きてしまいます。
例えば、緊張などでお腹が緩くなってしまったりした経験はないでしょうか?これもストレスや自律神経の乱れが原因で引き起る腸の不調となります。
過度なストレスや自律神経が大きく乱れてしまうと、過敏性腸症候群の症状をより悪化させてしまう可能性も非常に高いと言えるでしょう。
日々の日常生活でもストレス解消や自律神経を整えるために、適度な運動を取り入れるなどの工夫が必要です。
交感神経が優位になった状態が続くと腸の不調にも繋がる
上記でもお伝えした通り、消化管は神経を介して脳と繋がっています。その中でも交感神経と副交感神経からなる自律神経によって主に調節を行っています。
自律神経は、活発に活動している昼間などの時間帯は交感神経が優位になり、逆に夜になると副交感神経が優位に働くようになっています。
また脳が興奮状態や活発な状態の場合、交感神経が優位となり、リラックスしている状態では副交感神経が優位になります。
それでは交感神経と副交感神経がそれぞれ優位に働くとき、腸ではどのような働きが起きるのでしょうか。
交感神経が優位になっている時は、蠕動運動は停滞し消化管の動きは抑制されてしまいます。一方で副交感神経が優位になっている時は、消化液の分泌も促進され、蠕動運動も活発になります。
蠕動運動が活発になることで、腸内の便などの不純物も押し出され、腸内環境を正常に保ってくれます。夜中や寝る前などにゲームやスマートフォンの使用を控えるだけでも自律神経の整えるために効果的です。
自律神経を整えて過敏性腸症候群の症状を軽減させよう
乱れてしまった自律神経を整えることで、過敏性腸症候群の症状を軽減させていきましょう。ここでは、自律神経の整え方について詳しく解説していきます。誰でも簡単に取り入れることができますので是非試してみてくださいね。
有酸素運動によって自律神経を整える
有酸素運動を行うことで簡単に自律神経を整えることができるということが医学的にも判明しています。一般的に激しい運動を行うと交感神経が優位に働きますが、有酸素運動をしている時は副交感神経が優位に働くことがわかっています。
有酸素運動時には、自然とリズミカルで正しい呼吸法を行うことができ、この影響により副交感神経が優位に働きます。
ストレスや生活習慣によって交感神経が優位となり、自律神経が乱れている場合にも有酸素運動による副交感神経の刺激は非常に有効といえるでしょう。
ただし、激しい有酸素運動を行うと交感神経が優位になってしまうので注意が必要です。身体に負担にならないように心地よく運動できる強度で20~30分以内の有酸素運動にとどめておきましょう。
また有酸素運動を行うことで、ストレスを緩和したりストレスへの耐性を強化してくれる効果も。自律神経を整えてくれるだけでなくストレスを緩和してくれる効果なども期待できるので、過敏性腸症候群の改善には大変効果的といえるでしょう。
参考:自律神経機能と運動 | 京都大学大 学院人間・環境学研究科 森谷敏夫
ストレッチで副交感神経を優位にさせよう
有酸素運動だけでなく、ストレッチによる柔軟体操にも副交感神経が優位になることがわかっています。ストレッチを行うと、身体と心がリラックスした状態となり、血圧・心拍数の低下に繋がり副交感神経の働きが優位になります。
有酸素運動と同様に身体に負担がかかるストレッチは逆効果となってしまいますので、「気持ちいい」と感じる強度でストレッチを行うことが大切です。ストレッチを行う際は、深く呼吸を行いながら行うとより効果的です。
昼夜逆転の生活は自律神経を乱す原因に
つい夜更かしをしてしまったり、昼と夜が逆転してしまっている生活習慣も自律神経を乱してしまう大きな原因の一つとなってしまいます。
人間は本来夜行性ではなく、朝日と共に起床し、日が沈み暗くなってきたら就寝するという生活リズムを行ってきました。規則正しい生活を心掛けるだけでも自律神経をしっかりと整えることができます。
朝起きたらカーテンを開けて日光を室内に取り込みましょう。朝日を浴びることで脳内の体内時計がリセットされます。また夜はできるだけ副交感神経を優位にしてあげることが大切です。
ぬるめの湯に浸かって副交感神経を優位にしてあげたり、寝る前のストレッチなども効果的です。また寝る前にスマートフォンやパソコンの使用は、交感神経を優位にしてしまいますので使用は控えるように心がけましょう。
セロトニンを分泌させて自律神経を整える
幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」には自律神経を調節してくれる働きやイライラを抑えたり、心を落ち着かせてくれる働きがあります。
このセロトニンは朝起きた時に日光浴をするだけでも分泌されますので、朝起きたらカーテンを開けて太陽光を室内に取り入れたり、朝ウォーキングをしたりしてセロトニンの分泌を促進してあげましょう。
またセロトニンの生成には欠かすことができない必須アミノ酸の一種であるトリプトファンを積極的に摂取することも効果的です。トリプトファンは、大豆類、チーズ、牛乳、ヨーグルト、米、バナナ、卵、ピーナッツなどに多く含まれています。
ただし過敏性腸症候群の方は、高FODMAPに該当する食品を摂取すると症状が悪化する恐れがありますので、米、バナナ、ピーナッツなどから摂取することがおすすめです。
またサプリからも簡単にトリプトファンは摂取することができますので、サプリを併用することもおすすめです。