文芸評論に親しむ(追記あり)
文芸評論は、なかなか難しい。
とはいえ、親しみやすいものもある。
今回は、三つ紹介しよう。
バタイユ「カフカ」(『文学と悪』)
難しそうなイメージだったが、意外と解りやすかった。'至高性'というキーワードが印象に残っている。この評論でカフカの「判決」を知り、その後、実際に読んでみて気に入った。
小林秀雄「様々なる意匠」
日本の評論における金字塔のようなイメージ。今でも、しばしば引用される。'象徴'という概念に関して、けっこう挑発的なことを言っている。難しく考えすぎないのも大事だと教わった。
柄谷行人「マクベス論」(『意味という病』)
『マクベス』は好きな作品だが、柄谷ほど複雑な読み方をしたことはなかった。『マクベス』のテーマが'罪悪感'ではないとは驚きだ。自分としては、単純な読み方に留まっているほうが気楽ではある。
意外と面白いので、是非ご一読を!
【追記】(2020年12月15日)
柄谷は哲学者・中村雄二郎との対談で、「マクベス論」は連合赤軍のことを書いたものだと言っている(中村雄二郎『精神のトポス』、p.318)。そういう意識で、また読んでみたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?