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集中力を高め脳を鍛えるヴィパッサナー瞑想入門

「俺、昔から集中力ないんだよなー。
仕事に集中できないし、そういや学生時代から勉強も集中できなかったっけ。
すぐにスマホ触っちゃうクセ直したいけど何度も挫折してる。
あー、集中力さえあれば仕事も趣味も充実するのになあー!」

スマホの普及と共に、スマホ中毒、スマホ脳という言葉が流行るほど、現代人はスマホに依存している。

そんな中、【10日間スマホを預けて山奥で一日10時間瞑想する合宿】に行ってきたので、その経験から瞑想の具体的な方法についてお話しようと思う。

以前にもマインドフルネスに関する記事を書いたことがあり、それなりに反響があった。
あれから理解が深まり、また自分でも瞑想合宿の経験を経たので考えがアップデートされている部分があるが、合わせて参照してみてほしい。



■ヴィパッサナー瞑想のルーツ

ヴィパッサナー瞑想のルーツはブッダにある。
正確にはブッダは「悟りに至った者」という意味であり、彼の名は「ゴータマ・シッダールタ」なのだが、便宜上「ブッダ」とする。

そのブッダの教え「ダンマ」を元に、ミャンマー出身のサティア・ナラヤン・ゴエンカ氏がヴィパッサナー協会を立ち上げ、ダンマを広めている。

ブッダは元々王族の生まれだった。なんと王子だったのである。
お金にも食べ物にも異性にも困らない生活をしていたが、どれだけ恵まれた生活をしても苦しみが消えることはなく、また王宮の外を含めて世界には多くの人が苦しんでいることを知り、出家を決意する。

恵まれた育ちをしたブッダだったが、修行においても天才だったという。
何十日にも及ぶ断食や厳しい苦行を難なくこなしたが、彼の求めるものはその先には存在しなかった。
結果として、ただ苦しむこと自体には意味はなく(中庸)、瞑想こそが最も解脱に近い道だと知り、35歳で悟りに至る。

「悟り」とは、世の中の全ての苦しみから解き放たれる、つまり「解脱」した状態をいう。
全ての苦しみから逃れるのは尋常なことではない。
なぜなら、老いや病、更には死の苦しみさえ凌駕しなければならないからだ。

余談だが、現代ヴィパッサナー瞑想の祖であるゴエンカ氏は生前、ご病気になられて手術をした際、麻酔をせず、痛みをただ「観察」していたとの逸話がある。

■ヴィパッサナー瞑想と仏教

一方で、ブッダは仏教の開祖ともされている。

しかしブッダは宗派へのこだわりは一切なく、80歳で亡くなるまで、悟りに至る方法を広めることのみに一生を費やしたと言われる。

また輪廻転生に対しては「現世がしんどいんだからまずは現世からなんとかするべきでしょ」
カースト制に対しては「現行の社会にあるものだから仕方ないけど、人は人なのだからカーストなんて本来要らないでしょ」
という立場である(超訳)。

こうして見ると、ブッダ自身の生前の教えは現在の仏教と異なる点も多い。
どうしても仏教のイメージがつきまとう瞑想だが、宗教とは時代と共に変化していく伝言ゲームのようなものでもあり、瞑想と仏教は親戚のような関係で似て非なるものといえる。

<補足>
COTEN RADIO


■瞑想の実践

では実際どのように瞑想をすればいいのだろうか。

中身は簡単で、
1.座る
2.呼吸に意識を向ける
基本的にはこれで完結だ。

1.座る

座ることに関して細かいルールはない。

しかし一般的にヴィパッサナー瞑想で推奨される姿勢は
・座布団などを引くこと
・背もたれは置かないこと
・あぐらをかくこと
・手は足の上で組むか、両膝の上に置く

とされる。

たかが姿勢、されど姿勢。
穿った見方をして遠回りをするくらいなら、最初は先人の知恵を上手く借りよう。

背筋は伸ばすに越したことはない。
最初はきついが、長期的に考えると、できるだけ背筋が伸びているほうが確実に続けやすいのだという。

座っていくうちに足が痺れたりするが、その場合は姿勢を少し変えてもいい。

個人的にはこれが一番参考になった。


2.呼吸に意識を向ける

これが簡単なようで難しい。

瞑想というと「頭を空っぽにする」流派や「考えごとに耽る」流派などがあるが、ヴィパッサナー瞑想は「呼吸に意識を向ける」が原点になる。

これは呼吸は私たちの最も身近にあるものだからだそう。
例えば、身の回りの空気や身体の感覚は常に変わりゆくが、生きている限り、呼吸は続いていく。

途中で集中力が途切れることがあったら(そう、かなりの熟練者でもあることなのだ。だから集中力が切れたからといって自分を責める必要はない)、また呼吸に意識を戻せばいい。

では、「意識を向ける」とはどのようなことだろうか?

そもそも、あなたは日常で呼吸に意識を向けることはあるだろうか。
ほとんどの人は呼吸を当たり前だと捉えていて、意識すらしないだろう。
これが意外と難しく、そして奥が深い。

最初は鼻孔の内側に感じる呼吸の出入りだけに意識を絞る。
慣れてきたら、上唇を底辺とした鼻との三角形に意識の範囲を広げる。
更に次は鼻孔の内側と上唇の間に意識を狭める。

文章にするとたった3行だが、修行ではこれを1日10時間ずつ3日かけて行う。

■瞑想の難しさ

やってみるとわかるのだが、「呼吸に意識を向ける」だけでただただ座り続けるのは案外難しい。

5分も経たないうちに「LINEの返信きてないかな」「そういえば仕事のあの案件大丈夫かな」「あ、部屋の片付けしなきゃ」のように意識がいろいろなところに飛ぶだろう。

それ自体は悪いことではなく、むしろ自然なことだ。
しかし集中力が切れた自分自身を客観的に「認識」することが大事なのだ。
そこに良い悪いはなく、ただ現実を「認識」し、本来やるべき呼吸への集中に戻る。
これを繰り返すことが瞑想の肝となる。

瞑想は、水泳みたいなものだ。

水泳の場合、最初は水に顔をつけるところから始まって、まずはビート板でバタ足の練習をするだろう。
そこからビート板なしでバタ足を行い、クロールを5メートル、10メートル…と伸ばしていき、やっと25メートル泳げるようになる。

最初からクロールができる人もいるかもしれないが、基本的にショートカットはできず、段階を踏んでステップアップしていく

■アーナパーナ瞑想とヴィパッサナー瞑想

ここまで書いていてなんだが、呼吸のみに注意を払う瞑想は「ヴィパッサナー瞑想」ではなく「アーナパーナ瞑想」と呼ばれるものだ。

瞑想合宿においては、最初の3日間はアーナパーナ瞑想を行い、4日目の夕方になってやっとヴィパッサナー瞑想のやり方を教わることができる。

アーナパーナ瞑想なしでヴィパッサナー瞑想をするのは、初めてプールに入る人にクロールをさせるようなものだ。
基礎があり、正しい方法を教わって、初めて練習に臨むことができる。

本当は静かな場所でしっかり30分やりたいところだが、自宅などでやる場合は最初は10分でもいい。

■次回以降の記事予定

・ヴィパッサナー瞑想の実践方法
・瞑想が実生活にもらたすメリット
・瞑想合宿実践記
などなど…

■参考書籍


■おわりに

このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。

過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。

筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。

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