蝦夷梟(エゾフクロウ)♂

エゾフクロウと言います。 物語を書きたい、ただ自由に。 そんな思いでnoteを始めました。 北海道出身。ここを通じてたくさんの人と出会えるのを楽しみにしています。

蝦夷梟(エゾフクロウ)♂

エゾフクロウと言います。 物語を書きたい、ただ自由に。 そんな思いでnoteを始めました。 北海道出身。ここを通じてたくさんの人と出会えるのを楽しみにしています。

マガジン

  • ショートショート:短い作品集

    1000字以内の短い作品集。 自由に頭の中のストーリーを紡いでみました。

  • インスタントフィクション集

    400字適度の作品集です。自由に書いてますが何か感じでくれたら嬉しいです。

  • 短編小説:サテンの息子

    「喫茶店を始める」と突然両親が言い出した。 中学1年だった俺転校し、放課後は店番をする日々の中、色々な体験をした。 思春期にいろんな出会いが有り、少しずつ息子は成長する。

最近の記事

生まれ落ちる瞬間に、道がそこに存在する。 道は分かれたり、戻ったり、雨が降ればぬかるんで、晴れれば埃が立つ。 止まっては振り返り、見えない先をを見つめたり。 もしかしたら何も選べず、ただ一本の道を進むことしか出来ないかもしれない。 その道を進んでいく先にしか見ることができない景色もあるだろう。 進んだ先にしかない景色があるのなら、今日は一歩進めてみよう。

    • 「コンビニ作法」 ショートショート【1100字】

      「いらっしゃいませ!」 毎日どこかしらのコンビニに必ず寄ってます。 元気な明るい挨拶の店員さん達にぺこっとおじぎをしつつ注目を浴びるのは実にキツいです。 すぐに右折し本棚の前を通ります。 チラリと見ると気になる見出しがあるが立ち読みはしないです。 いやその勇気が全くないのです。 「あ」 立ち読みしてる人と目が合った。 否定はしてませんよ、勇気が無いだけです。本を閉じられたけど覗いてませんよ。可愛いアニメキャラの表紙で自分も内容が気になります。 冷蔵庫を開けほうじ茶に

      • 「苦手な人」 ショートショート【1700字】

        「もう!!マサトはまだ名前で呼んでくれないんだから!」 俺はこいつ加藤アイリが苦手だ。 活発で明るくて、まぁまぁ見た目は可愛いとは思う。 加藤は俺と真逆の天性の愛されポイントをいくつも持っていて、そんなのを見ると何故かくすぐったくなる。 「みんな名前で呼んでくれるのにー!」 「苗字も名前でしょ、お父さんが泣きますよ」 俺たちはここのガソリンスタンドでアルバイトしている。 バイトの俺たち高校生や所長や主任や専務といった社員の人たちも全員加藤アイリのことを「アイリン

        • 「遠くまで走れる靴」  ショートショート【1300字】

          俺は新しい靴が嫌いだ。 別に靴ずれをして痛くなるとか、そういう事は別にどうでもいい。 真新しい靴はどうも靴ばかり目立つ。 学校でそんなつまらない事で注目を浴びたくないのだ。 とは言ったものの、同級生が履いているアシックスの運動靴がとても欲しかった。 マークがなんとも美しくてかっこいい。 母さんに靴を買いに行く時に欲しがってはみるが 「こっちの方が丈夫そうで安いじゃない!」 母に一蹴りされる。 似たようなマークが付いてるが一本ラインが多い安物の靴は何故か格好悪苦見

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        • ショートショート:短い作品集
          9本
        • インスタントフィクション集
          4本
        • 短編小説:サテンの息子
          3本

        記事

          「光のメッセージ」ショートストーリー【2500字】

          「あそこ、何か光ってる?」 私の名前は詩織、病気で倒れたおじいちゃんの家に滞在している。 おじいちゃんの家は島の小高い岬の上に建っていて私は大好きなおじいちゃんとおばぁちゃんの手伝いをしたかったのだ。 朝食を運んでおじいちゃんの部屋で窓の外を見ると、少し離れた島で何か光った気がした。 目を凝らすと島の中腹に見える家からキラッキラッと何か一定のリズムを刻んでいるように見える。 「おじいちゃん島の向こうから光が見えるんだけどなんだろ、点滅してるように見える」 「どれどれ」

          「光のメッセージ」ショートストーリー【2500字】

          「小正月の日」 詩【140字】

          頬を刺す乾く風 川のそばの境内で 甘酒を飲む プラのコップは熱くて、腰を落とさなければ飲む事さえ出来ない 見慣れた景色を見渡せば 木の皮さえも美しい カラカラ鳴る鈴の音は 誰かが願いを込める音 柏手に願いを込め また歩き出す 願いは富か出会いか健康か 幸せ祈るこの場所は優しい匂いがする

          「小正月の日」 詩【140字】

          「欅と丘が消えるまでに」  ショートショート【1600字】

          丘の上、僧侶は小さな欅の木に手を当て静かに預言をした。 「この丘と欅の木が消えるまでに隣の島に移りなさい、いずれこの地には誰も住めなくなるだろう」 花畑の真ん中に突然現れた高さ5メートルほどの丘。 その真ん中に生えた欅の木の周りには色彩り豊かな花が咲いていて、ウサギや猿や犬など様々な動物と一緒に子供や大人が話を聞いている。 「僧侶さま私たちはこの土地を離れたくはありません」 この地は豊かな農作物が実りとても過ごしやすい村だった。 「あなたたちに必要なことなのです、時

          「欅と丘が消えるまでに」  ショートショート【1600字】

          「俺の白いサーバント」ショートショート(1200字)

          背後から忍び寄り俺は敵の喉元にそれを放り込んだ 「ギャー!!」 また1人やった 次の獲物を探しつつ俺は新しい神器を手に入れる。 それは屋根の下に垂れ下がり大きさはゆうに背丈をも超えている。 まさに神の所業だ。 俺は慎重にそれを手に入れるが残念ながらとてももろい。 しかしながら敵に与えるインパクトは抜群だ。 誰しも俺のその神器を見て唇を噛みしめ悔しがる、自分の背丈ほどあるそれは大きな氷の神器。 人はそれを「つらら」と呼ぶ。 得意げに振り回し俺は帰路につく。 ふと背

          「俺の白いサーバント」ショートショート(1200字)

          「狼月の夜」ショートショート 【400字】

          「ワオーン!!」 満月の荒野で遠吠えをする、口から小さく白い呼気が揺らぐ。 「ワオーン」 遠くで俺の声に反応している奴がいる。 「生意気な奴だ」 俺は「狼月」 満月の日に生まれた凶暴な狼だ。 「腹が減ったな」今日のオカズは何にしてやろうか。 満月を眺めながら自慢の鼻をヒクヒクさせ獲物を探す。 瞬間まぶしい光に俺は目を潰された 「クッ!」 「マリモちゃん!うるさい!ご近所迷惑でしょ!早く入りなさい!」 あ、本名呼ばないで下さい。 渋々庭から部屋に上がる。

          「狼月の夜」ショートショート 【400字】

          「タバコ吸い人」ショートショート【900字】

          「すいません火を借りていいですか?」 まるでテンプレートのように使える共通語だった。 英語は苦手だがもし海外だったら 「ファイアプリーズ」とでも言えばいいだろうか。 海外ではないものの上京して誰1人知り合いのいないこの街の工場で俺は働きだした。 なんとなくかっこいいから。 そんな理由でタバコを吸い始めた。 友達も親戚も誰もいないしまだ仲の良い同僚もいない。 喫煙所は孤独を埋める社交場だった。 喫煙所でライターがないことに気がつく。 そんな時困った時はお互い様精神でタ

          「タバコ吸い人」ショートショート【900字】

          「冬は眠りについてみる」ショートショート【400字】

          愛した事は寂しくはないから遅くない。 寂しさに震えても戻らない日を頭で巡らせても陽気な冬に春を求める桜にはどうせ花は咲かないものだ。 風は乾きすぎて頬を刺す。 赤く染まる落ちた葉を拾いあげて慈しんでも緑の葉の頃には気がつかなかったのだから。 埃は舞い散り心も折れて視界を奪うけど、やがて絡み合うように落ちた葉も埃もそのうち土に還り新しい葉が出てきて小さな花が咲く。 拾った赤い葉は元には戻らないけど別に寂しいわけじゃない。 小さな緑が生まれる頃には前を向いて歩ける日も来る

          「冬は眠りについてみる」ショートショート【400字】

          「空きデパートを買い、王様気分になってみる」ショートショート【1400字】

          過去に賑わいを見せていた12階建のデパートは長期間空きビルになってしまった。 どのくらい経っただろう。 解体の予算もないらしく、早期退職金を頭金にすれば多少無理すれば買えそうだ。 建物は頑丈で設備も整っている。 「仲間を集めていっそここに住んでしまおうか」 そう思った。 最上階近くには温泉もあり、屋上にはプールもあるし、事務所やバックヤードを外装して得意の日曜大工で部屋にすれば住めそうじゃないか。 リストラになって現在無職、何か大きな失敗をしても大した問題ではない、そ

          「空きデパートを買い、王様気分になってみる」ショートショート【1400字】

          「二匹のキツネの宿」短篇【4500字】

          「この辺だったかな…」 道の横を草原のウェーブが車と並走している。 北海道郊外、懐かしい光景であの時車に轢かれていたキタキツネとの不思議な体験を思い出す。 俺は親友と一緒に高校3年最後の思い出に北海道を自転車旅行しようと言う話になった。 一番南の函館をスタートして1番北の稚内まで往復1500キロだ。 テントと寝袋とガソリンで火を起こせるコンロ、小さいフライパンに飯ごう。 必要最低限の荷物で出発し、2日目「北海道の尻尾」の根元に位置する洞爺湖にテントを張った。 薪を

          「二匹のキツネの宿」短篇【4500字】

          「虎好き虎模様」ショートショート【1600字】

          「もうすぐやってくる」 寅年に生まれた俺は、虎が大好きだ。 部屋には虎の置物や壁には虎の絵、虎模様のタトゥーまで入ってる。 実は母や父も寅年生まれで、母いわく「父さんは虎年生まれでも気の弱い猫だわ」 怖い父だったが、優しい寡黙な父だった、子虎の俺としては父は気の弱い感じはしなかった。 「私は五黄の虎だから私にかなうものはいないのよ」 母は謎の虎を味方に付けPTAの中でも同級生の親に食ってかかるような凶暴な虎だった。 そんな両親に育てられた子虎の俺。 社会に出たが、

          「虎好き虎模様」ショートショート【1600字】

          「丸いオレンジ色の幸せ」【1400字】ショートストーリー

          「有田みかん」「愛媛みかん」 小ぶりの箱に書かれたその文字だけで口の中がなんだか潤ってくる。 母さんは得意なチラシを折り、彩り豊かな小さな折紙ゴミ箱を作る。 半分に割り、房を一つつまみ取り白いヒモを剥がしている。 優しくちぎれないように引っ張ると気持ち良く綺麗に剥がれた房を小皿に入れている。 母さんはその一つ味見をして 「これは甘い」 その甘い残りの房をきれいにヒモをとり渡してくれた。 口に運ぶと一生懸命ヒモを取ったせいか、少し柔らかくてふにゃふにゃになっている、それを俺は

          「丸いオレンジ色の幸せ」【1400字】ショートストーリー

          「とある種族のクリスマス」ショートショート(1000字)

          「間もなく巨大トカゲたちは滅びる」 今から65,00万年前。神さまは小さき者たちを集めました。 わが物顔で巨大トカゲたちがこの世界を好き勝手にしてきました。 神様は今まで何度も警告をしました。 「そんな大きな体は必要ない」 「そんな強力な牙や爪は必要ない」 「食べ物を食べ尽くしてはならない」 トカゲたちは口々に言い訳をします。 「敵より俺達は大きくならなければならない」 「最高の鎧には強力な牙と爪で闘わなければならない」 「小さな生き物は俺達の残した物で充分だ、俺

          「とある種族のクリスマス」ショートショート(1000字)