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「喫茶店を始める」と突然両親が言い出した。
中学1年だった俺転校し、放課後は店番をする日々の中、色々な体験をした。
思春期にいろんな出会いが有り、少しずつ息子は成長する。
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記事一覧
『老婆と息子』サテンの息子#2
俺の名前はヒデユキ、大野ヒデユキ。
中学2年。
サテンの息子だ。
カフェとか、かっこいい名前では呼ばれない、普通の喫茶店の息子だ。
入口の横には、シンボルツリーのオンコの木。
コーヒーのロゴの入った看板には店の名前「紙ふうせん」と書いてある。
今日も学校が終わり店番している。
暇なので、父親のこだわりのオーディオを観ていた。
音の響きがいいとか言う理由で真空管のアンプの足の下には10円玉が敷
『バナナをスプーン食べる息子』サテンの息子#3
俺の名前はヒデユキ、大野ヒデユキ。
サテンの息子。
どこにでもある、ただの喫茶店「紙ふうせん」の息子だ。
今日も学校が終わり店番している。
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「ヒデくん大きくなったよね」
目の前の志穂ねぇは、そう言った。
そう、俺はとても小さかった。
ずっと最前列の俺は、小学4年まで銭湯に行くときも母親と一緒だった。
しかし、ある事件がきっかけで、女風呂に入ることを拒むようになったのだ。