記事一覧
【インスタントフィクション】
『便所の端』
新たな気持ちでドアを開く。
誰もいないホールで助けを求める。
壁の重なる隙間から覗く女性がいる。
心に小さな火花が散る。
つい真面目に話しかけてしまう。
『こんにちは』
私は今日から男子トイレを掃除する。
彼女も女子トイレを掃除する。
同じ時間に同じように掃除する。
トイレの備品は私が補充する。
床は彼女が雑巾をかける。
彼女は男子トイレに雑巾かけながら現れる
インスタントフィクション
本を読むのが苦手、物語を想像は出来ても文章が書けると思わない
でも何かを作りたくて『インスタントフィクション』を描いて見ようと思いました。応援してくれたら嬉しいです。
『荒地』 希望の風を感じていた。
画面の向こう側には自由の翼を掴んだ人々がいた。
彼らは希望に満ちて掴んだ自由の翼にしがみつく。
逃避の翼は自由の翼ではなかった。
掴んだ手は断ち切られた。
それ見た事か。
インスタントフィクション『斜光の差す部屋』
白い部屋だ。
大きな窓が1つ、海が見える。
一脚の椅子の4本の足が、長い影を作っている。
ひんやりとした風が白いレースのカーテンを揺していた。
2本の足の影。
波の音が大きくなり、レースのカーテンをタッセルに縛りつけ、潮臭い風をも取り入れる。
蒼い光が部屋を照らし出す。
3本の足の影になった。
2本は重なり太い影になる。
差し込む夕日で部屋は真っ赤に染まった。
たまらず遮りカーテンを閉めた