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2022年11月14日 13:17
「らせん階段にはちょうちょが住んでいるんだ」遊んでいる時に幼馴染が言ったその言葉をどうしてか忘れず、たまに思い出す優しい風の吹く春の日部屋を抜けて非常口のマークへ向かう僕は長い螺旋(らせん)階段を降りていくここにエレベーターはなく皆は普通の階段を使う少し降りると目が回って来て立ち止まり深呼吸をする僕は上から下までスーッと格子が伸びた鳥カゴのようなこのアパートの螺旋
2022年12月20日 13:38
かなり久しぶりにぐっすりと寝た気がする部屋の中に穏やかな風が流れるゆっくりと目を開けた優しい陽の光を感じたからだとても長い間深い眠りについていたとは思えないくらいにすっと身体を起こすことが出来たどこもつらいところはなく健やかだった家の天井には大きな穴が空いていた屋根が崩れ落ちたようだ不思議と僕には被害がなく崩れた屋根もどこへ行ったのか見当たらなかったその抜け
2022年12月21日 22:56
ショッピングモールの角にある小さなレストランは祖母の友人であるオリバさんのお店で3人しか並べないほどの小さなキッチンがある他の店の外観はショッピングモールにふさわしいものばかりだったのにそのレストランだけは、そこに似合わず森の奥にひっそりとありそうなもので、何度行っても心が躍った小さな頃からよく祖母に連れられて来ていて、足を運ぶたびに壁にはった蔦や植木が成長した姿をみれる事も楽しみにし
2022年12月15日 23:35
高2の夏今年もセミが鳴き始めた。いつもなら別の高校に通う親友と待ち合わせてバスで帰宅するが、高校が違うと毎日そうは行かなかった。そんな時、親友は私に「先に帰って」とメッセージをくれた。ホームルームを終え、同じ高校に通う友人達に別れを告げて教室を出ると、少し広間のようになっている廊下で部活支度をする野球部の背中が見える。上裸になった野球部は腕と身体とでしっかりとオセロになっていた。