【読書メモ】自傷本。四月になれば彼女は。
今、映画も上映していて話題となっている、こちらの本📖
ついに読み終わりました。拙いですが読みたてホヤホヤの状態でぼくの思ったことを書かせてください。
本作は「ラブストーリー」や「純愛」なんていうフワッとした内容じゃありません。
むしろ物語に心を寄せるだけで、スパッと深い傷を負う「残酷」といっても過言じゃない作品です。
恋、愛、結婚、結婚後の生活、人が想起しうる感情やできごとが、グロテスクなまでにリアルに描かれています。
理解しえない愛も愛。
それを受け止めるのも愛。
受け入れられず離れることを選ぶのもまた愛。
横道にそれつつも、それを維持しようとするのも愛。
妥協するのも愛。
しないのも愛。
どれが正解か、どれが真っ当かとか、そんなんじゃなくて。
自分はどう感じて、どうありたいか、どうしたいか。
それを毎秒問われつづけるという、自分の価値観や生き方そのものを直視せざるを得なくなる、厳しい小説。
表紙にあるウユニ塩湖の写真。壮大で美しく見えるでしょう。
でも読み終わったぼくには、終わりのない思考、永劫の旅のように見えてしんどくもなります。
読み終わったあとにそう思わせる作品なんです。
傷つきたいかた、ぜひ読んでみてね。